/

がん情報 全国一元化 病院に登録義務、厚労省検討

病院に登録義務

厚生労働省は全国のがん患者の情報を一元管理するため、がん登録を病院に義務づける検討に入った。各種のがんの患者数や生存率を正確に把握し、有効ながん対策に役立てる。患者は自分と同じ症状の治療法を知り、医療機関を選ぶ際の情報源として活用できるようになる。個人情報保護に一定の配慮をしたうえで、早ければ来年度中の法制化をめざす。

政府が今月にも閣議決定する2012年度から5年間の新たながん対策推進基本計画に、がん登録の法的位置付けの検討を盛り込む。

がん登録は、がんの種類のほか、患者の氏名や生年月日、外科的治療や放射線治療の有無などを記録する。初回診断日や死亡日も登録され、がんの種類ごとに生存率などを算出できるようになる。がんの症例を全量把握するため、患者の同意がなくてもデータを収集できるようにして、医療機関や医師からの報告を義務づける。

国が集めたがん情報は当面、国立がん研究センターが一元管理する。患者数や生存率の統計はホームページなどを通じて一般市民でも入手できるようになる。

将来的にはがんになった際、自分に適した治療法や医療機関を調べる情報源とすることを厚労省は検討している。患者や病院は国や都道府県を通じて情報を提供してもらう。例えば、データベースを通じて症状ごとに治療経験が豊富な病院がいち早く分かれば、患者の早期治療につながる効果が期待できる。

国や都道府県にとっては、がんの地域格差を把握し、予防・検診・治療の効果を分析でき、重点的に取り組む課題を把握できるようになる。

日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人が死亡する。がんは部位によって約100種類もあり、それぞれに治療法や症状の進行が異なる。現在は病院ごとの「院内がん登録」の情報を各都道府県が「地域がん登録」としてまとめている。

ただ、登録は病院の努力義務にとどまり、症例が少ない希少がんや小児がんでは有効なデータが不足している。登録方法も都道府県ごとに違うため、患者が県外の医療機関を受診したり引っ越したりした場合の追跡把握が難しいという問題もあった。

米国や韓国、スウェーデンなどでは医療機関による報告をすでに義務づけており、英仏も行政にがん情報を調査する権限を与えている。日本はがん登録体制の整備が遅れており、がん情報の充実を望む患者団体やがん関連学会から早期法制化を求める声が出ていた。

プライバシー保護を求める声も根強いため、厚労省は登録情報を取り扱う医療機関や行政の個人情報保護を徹底する。個人情報を患者の同意なしに集めるには高度な政治判断が必要になるため、厚労省は議員立法を視野に民主党を含む超党派議連との調整を本格化させる。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン