中国アリババが変革加速 事業部門を細分化、CEO退任

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2013/2/7 7:00
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ただ、アリババ関係者はこう強調する。「これは単なる倉庫を設けるような話じゃない」

確かに今回のプロジェクトには順豊速運(広東省)など大手宅配業者をはじめ、投資会社の復星集団(上海市)などからなる財団や金融機関が加わる。共同で資金を出し合い、IT(情報技術)を活用した高効率で低コストな物流インフラを作る。目指すのは「中国の新たな商業インフラだ」(アリババ関係者)。

アリババのビジネスモデルの根底には「生態系」と呼ぶ発想がある。アリババが提供するサイトやサービスはいわば地球。その上で、モノを売りたい企業や個人、買いたい企業や消費者が集まり、自由にビジネスを展開してもらう。「ネット時代のインフラ企業になる」。社内でこう話すという馬会長の夢は壮大だ。

今やネット利用者数が5億6400万人超に増えた中国。中国の調査会社の艾瑞諮詢(アイ・リサーチ)によれば、12年の中国のネット通販市場は前年比66.2%増の1兆3040億元まで膨らんだ。この先、どうネット市場は発展していくのか。馬会長が見据えるのは、大きな変革だ。

アリババ集団はこれからどう変わるのか(浙江省杭州市内の本社)

アリババ集団はこれからどう変わるのか(浙江省杭州市内の本社)

昨年9月9日、淘宝網の優良出店者を集めたイベントで講演した馬会長はこう強調した。「企業から個人へのBtoCビジネスから、個人から企業へのCtoBビジネスに転換しないといけない。我々ができようができまいが、それが社会の趨勢だ」。馬会長は、個人が欲しいものを企業がオーダーメードで作ってくれる時代の到来を確信する。

年明け早々に7つの部門を25部門に細分化したのは「生態系」での変革に備えるためだ。そして、経営のかじ取りをこれからの時代の流れを敏感にかぎ取れる若い世代に任せる決断を馬会長はした。

1月15日、2万4000人の従業員にCEO退任を宣言したメールで、馬会長は後継CEOについて、冗談めかしてこう書いた。「私のような性格が分かりやすくて"ET(=宇宙人)"のようなCEOの職を引き継ぐことは、大きな勇気と犠牲の精神が必要になる」

それは"宇宙人"でもなし遂げられないかもしれないネット市場の変革が待っているというメッセージなのかもしれない。近い将来、米国を抜いて世界最大のネット市場となる中国で新たな「生態系」をどう作り上げるのか。その行方から目が離せそうにない。

(上海支局 菅原透)

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