アップル、強気のiPad値上げ シェア変動が焦点

2013/5/31付
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米アップルが31日、円安・ドル高を受け、タブレット(多機能携帯端末)の「iPad(アイパッド)」の全モデルの国内販売価格を値上げした。値上げ幅は最大1万3000円。販売中に価格を改定するのは極めて異例だ。ブランド力を背景にした強気の姿勢がうかがえるが、今後シェアにも影響を与える可能性がある。

アップルはアイパッドの最上位機種で記憶容量が128ギガバイトのモデルを従来より1万3000円高い7万9800円、普及版の16ギガモデルを7000円値上げして4万9800円とするなど、全モデルを値上げした。

アップルは今回の値上げの理由を「為替の変動に伴う価格調整」と説明する。各モデルの値上げ幅はおおむね1~2割で直近の円安で上昇した輸入コストと同等だ。

販売現場は対応に追われた。ヨドバシカメラの全店舗では夕方、店員がアップル製品の値札を張り替えた。これに対してビックカメラやケーズホールディングスは、この日の店頭価格は据え置いた。

ソフトバンクモバイルとKDDI(au)はアイパッドを2年間の割賦契約で買う場合、価格に相当する額を基本使用料や通信料から差し引く割引を設けている。値上げ分を顧客にそのまま転嫁するか、割引を手厚くして従来料金を維持するか、慎重に議論している。

今後の焦点は値上げによってアイパッドのシェアに影響が出るかどうか。調査会社のBCN(東京・千代田)によれば、2012年度の国内のタブレット市場でのシェアは、アイパッドが約50%。アップルの一人勝ちの状況が続いている。「アップル製品は指名買いが大半」(大手家電量販店)で値上げの影響は小さいとの見方も多い。

ただ、アップルの牙城を崩そうとタブレット市場には新規参入が相次ぐ。台湾エイスースは米グーグルと共同開発した7インチのタブレット「ネクサス7」を1万9800円の安値で発売。昨年12月に一時、アップルのシェアを上回った。

今回の値上げで売れ筋の「iPadミニ」の価格は、グーグルのネクサス7の1.7倍になった。米アマゾン・ドット・コムや米マイクロソフトなどを含め、競合他社では当面、円安を価格に反映する計画はないという。アップルのブランド力が試されることになりそうだ。

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