2019年6月18日(火)

農地で育つか「プチソーラー」 エネルギーを地産地消

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2013/5/6 7:00
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農林水産省が3月31日付で、農地に太陽光発電施設を設置するための運用方針を示した。支柱を立ててその上にパネルを取り付ける方式で、支柱の基礎部分を農地の一時転用許可の対象とした。転用期間は3年間で、問題がなければ更新できる。

太陽光パネルはトラクターの置き場所にもなる(京都府福知山市)

太陽光パネルはトラクターの置き場所にもなる(京都府福知山市)

(1)支柱が簡易な構造で容易に撤去できる、(2)支柱(で区切ったエリア)の面積が必要最小限で適正、(3)パネル下部での営農の継続が確実で農作物生育に適した日射量を保つ、(4)農機を効率的に利用できる空間を確保――などを定め、年に1回の報告を義務付け、農産物生産に支障が出ていないことをチェックすることを転用条件とした。

昨年7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で太陽光は1キロワット時あたり42円という高値が付き、日本中でメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設ラッシュが起きた。今年1月末までに全国で317万9615キロワット分が設備認定され、そのうち北海道が75万6304キロワット、九州・沖縄地方が82万8313キロワットを占める。メガソーラーの運営主体はソフトバンクや大手商社などの大企業が多い。土地を提供した地元はあまり潤わないのが実情だ。

ところが農地の場合は農家が自分で太陽光を設置するために、買い取ってもらった電気の代金も農家の懐に入る。エネルギーの地産地消につながる利点がある。農水省は農業生産の継続を最重要視しており、農地における太陽光発電を制限してきたが、ここにきてようやく方針を転換した格好だ。

太陽光は植物の生育に不可欠だが、必ずしもさんさんと降り注ぐ必要はない。木漏れ日で育つ植物はたくさんある。植物工場は発光ダイオード(LED)や蛍光灯を用いた人工照明で成立する。太陽光パネルで農地の一部を遮っても農作物は育つという理屈だ。

光学フィルター大手のフジプレアムは2013年度から3年間、兵庫県姫路市が教育などに利用している約1200平方メートルの農地で太陽光発電事業を研究する。事業費は約2000万円。軽量の太陽光パネルに太陽光自動追尾システムを組み合わせる。一般的な固定型の1.4~1.5倍の発電量が期待でき、設置面積は約20分の1で済む。農業収入と発電収入の両立を目指すという。

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