2019年1月20日(日)

日航、債務超過9500億円に 銀行団と本格交渉へ
債権カット増額求める

2010/6/30付
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日本航空は30日、会社更生法の適用を申請した1月時点のグループ全体の債務超過額が、当初概算の8676億円から約9500億円に拡大したと正式に発表した。リストラ費用や資産の評価損が膨らんだためで、今後は再建に向けて金融支援を巡る主力銀行団との交渉を本格化させる。8月中旬までの合意を目指すが、一部の銀行の反発は根強く、決着までは曲折が予想される。

同日に日航本社(東京・品川)で記者会見した企業再生支援機構の瀬戸英雄委員長によると、更生手続き中の主要3社(日航、中核運航会社の日本航空インターナショナル、金融会社のジャルキャピタル)だけで見ると、債務超過額は1兆9億円。(1)老朽化した航空機の一斉退役(2)路線整理の拡大(3)人員削減の拡大・前倒し――などリストラ加速により、資産が目減りしたり、退職金などの負債が増えたりした。

一方、旅客需要の回復に伴い「経常損益は予想より改善している」(瀬戸委員長)。ただ財務悪化に収益性の改善が追いつかず、1月時点の債務超過額は主要3社で約1000億円(グループ全体では約820億円)増加。この分を穴埋めする必要があり、銀行団に支援を求めていく方針。

具体的には、債権カット拡大や債務の株式化などを銀行団に求めるとともに、支援機構が日航への出資額を当初計画の3000億円から500億円程度積み増す方向で調整する。

ただ、債務超過の解消で銀行団の協力を引き出せても、つなぎ融資の借り換えや航空機の購入資金など数千億円単位の融資契約にめどをつけなければ、8月末期限の更生計画案の取りまとめにはたどり着かない。これらの融資に機構が債務保証をつけることも検討課題に上がっているという。

支援機構の瀬戸委員長らと共同会見した稲盛和夫会長は「向こう3年の(経営再建)計画ができたので(計画を)しっかりクリアして、銀行には『これなら問題ない』と思ってもらうようにしなければならない」と語った。当面は営業損益の黒字化に全力を挙げる考えを強調したうえで、「経営が安定するまで2~3年は責任を持って取り組む」と自身の早期辞任観測を否定した。

30日発表した日本航空インターナショナルの5月の営業損益は29億円の赤字。前年同月の259億円の赤字から比べると「着実に収支は改善している」(瀬戸委員長)としている。

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