富士フイルム、再生医療に参入 VBに40億円出資

2010/8/30付
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富士フイルムは30日、ヒトの細胞を使ってケガや病気で失った機能を回復させる再生医療事業に進出すると発表した。やけどの治療に使う培養表皮で実績があるベンチャー企業、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J・TEC)に約40億円を出資し、筆頭株主となる。医療分野を成長事業と位置付ける富士フイルムは、再生医療に必要な製品開発に力を入れる。

J・TECは1999年の創業。培養表皮は皮膚の断片から取り出した細胞を1畳ほどの大きさにする。重傷のやけど患者の患部にはり、水分の蒸発や感染を防ぐとともに組織の再生を促す。国内で唯一、薬事法に基づく製造販売承認を得ている。2007年12月にジャスダック・ネオに上場した。

10年3月期の売上高は2億1100万円、最終損益は10億円の赤字。軟骨や角膜再生に必要な製品の開発にも取り組んでいるが、財務基盤の強化が課題となっていた。

富士フイルムはJ・TECが10月29日に実施する約40億円の第三者割当増資を引き受ける。J・TECへの出資比率は41.3%で、富士フイルムの持ち分法適用会社となる見通し。

富士フイルムは再生医療事業進出を見据え、細胞培養材料の開発を進めてきた。今後はJ・TECの技術と組みあわせることで細胞を効率的に培養し、コスト削減や品質向上に取り組む。

富士フイルムの10年3月期の医療・ライフサイエンス分野の売上高は2639億円で、主にエックス線画像診断装置など医療機器が中心。08年に製薬会社の富山化学工業を買収したほか、今年4月には後発医薬品にも参入した。19年3月期をメドに同分野の売上高を1兆円に引き上げる目標を掲げている。

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