2019年8月17日(土)

「ベテランの力で」 キヤノン、御手洗氏が社長復帰
内田社長は相談役に

2012/1/30 15:08 (2012/1/30 21:57更新)
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キヤノンは30日、御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO、76)が3月29日付で社長に復帰する人事を発表した。内田恒二社長兼最高執行責任者(COO、70)は相談役に退く。欧州経済の先行き不透明感や新規事業育成の遅れなどを考慮。御手洗氏が陣頭に立って「ベテランの力で難局を乗り切る」考えだ。

内田恒二社長

内田恒二社長

御手洗冨士夫会長

御手洗冨士夫会長

30日に開いた2011年12月期の決算会見で人事について説明した田中稔三副社長によると、今年で就任丸6年となる内田氏から「退任したいと強い意向があった」。これを受けて御手洗氏が「先行き不透明な時には世代交代を急ぐよりもベテランの力を結集し、会社を健全に運営していくべきだ」として社長復帰を決めたという。

御手洗氏は前回の中期経営計画(06~10年)で「売上高5兆円」という目標を掲げたが、08年の米リーマン・ショックなどで達成できず、10年5月に経団連の会長を退任した後、経営の第一線に復帰した。11年には新たな中計(11~15年)で再び「売上高5兆円」の目標を掲げたが、達成への道のりは遠い。

「世代交代を急ぐより、仕事に精通したベテランを」 トップ人事について田中副社長が説明した(30日、東証)

「世代交代を急ぐより、仕事に精通したベテランを」 トップ人事について田中副社長が説明した(30日、東証)

新規事業の育成にも手間取り、デジタルカメラ、事務機に次ぐ3本目の柱が出てこない。御手洗氏はM&A(合併・買収)を駆使して医療分野などの新規事業拡大を進める方針を掲げており、社長復帰で構造改革のピッチを上げるとみられる。

キヤノンが30日に発表した11年12月期の連結決算米国会計基準)は震災・洪水や円高の影響で売上高が前の期比4.0%減の3兆5574億円。純利益はコスト削減効果で0.8%増の2486億円だった。

12年12月期の連結純利益は前期比0.6%増の2500億円になる見通し。小幅ながら3期連続の最終増益を見込む。円高や欧州景気の悪化が収益を圧迫するが、好採算のデジタル一眼レフカメラの販売が好調。生産効率化などコスト削減も寄与する。円高で2千億円の減収要因が発生するが、デジカメを中心とした消費者向け事業が11%増収と伸びる。

特に一眼レフカメラは欧米や中国の好調で、販売台数は27%増の920万台と過去最高となる。コンパクトカメラも17%増の2200万台。営業利益は販売増が寄与し3%増の3900億円を見込む。

為替レートを1ドル=75円(前期は80円)、1ユーロ=100円(同111円)に設定。工場の自動化による固定費圧縮など約1000億円のコスト削減で吸収する計画。年間配当は未定としたが前期と同額の120円とする可能性が高い。

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