「コピペ」で部品設計、開発を効率化 自動車など品質向上も

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2013/11/4 7:00
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自動車を筆頭に、モジュール化設計(モジュラーデザイン、MD)に取り組むメーカーが増えている。MDは、製品をモジュールに分割し、モジュールの組み合わせを変えることで多様な製品を実現する手法だ。これまで、日本の強みは擦り合わせ型の設計手法にあるといわれてきた。だが、近年は擦り合わせが製品の価値向上につながりにくく、むしろ納期やコストへの弊害が目立つようになっていた。そこで、製品開発を効率化するための手法としてMDが注目されているのである。

図1 マツダの一括企画。全車種への搭載を前提にした標準モジュールを開発し、それを個別車種に展開していく

図1 マツダの一括企画。全車種への搭載を前提にした標準モジュールを開発し、それを個別車種に展開していく

組み合わせ型の設計手法であるMDは、擦り合わせの対極にある。ただし、MDを導入しても擦り合わせが不要になるわけではない。MDを実現するには、それが成立するような製品構造(アーキテクチャー)を構築したり、組み合わせ可能なモジュールを確立したりする必要がある。そうした基盤の部分は擦り合わせで進め、これまで擦り合わせの手法を適用していた個別製品の開発は組み合わせにして効率化するのが、MDの本質といえる。

擦り合わせと組み合わせの要素を兼ね備えるMDで成功しているメーカーの代表格は、マツダだ。その思想は、同社が推進している「一括企画」からもうかがえる。一括企画は、2015年までに発売する8車種をまとめて企画し、エンジンや車両骨格など全車種に用いる標準モジュールを確立した上で、個別車種を開発するというもの(図1)。標準モジュールの開発するところまでは擦り合わせ型で、個別車種の開発は組み合わせ型といえる。

一括企画の第3弾となる新型「アクセラ」(11月21日発売)の開発を指揮したマツダ商品本部主査の猿渡健一郎氏は、一括企画に基づいた新型車の開発を「ある意味でコピペ(コピー・アンド・ペースト)」と表現する。製造業において、コピペという言葉は文脈次第では否定的な意味にとられかねない。それでも同氏がコピペという表現をあえて用いた理由は、主に2つある。

一つは、コピー元、すなわちエンジンや車両骨格といった標準モジュールに大きな自信を持っていること。もう一つは、コピペによってこれまで新型車の開発に費やしていた技術者の工数が大幅に浮き、開発期間の短縮や品質の向上を実現したことだ。実際、アクセラの開発期間(モックアップの作製などを始めてから設計が完了して量産準備に移るまでの期間)は16カ月にすぎない。ゼロベースで開発する従来の手法であれば、2~3年は要していたという。

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