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「つながる携帯」へ一歩 ソフトバンクが新周波数

インフラ投資が重荷に

総務省は29日、携帯電話向け電波の新たな周波数帯をソフトバンクモバイルに割り当てることを正式に決めた。新帯域の獲得を巡っては国内携帯4社が事業計画を申請していたが、電波の逼迫度が高いソフトバンクモバイルが選ばれた。ソフトバンクは最大の弱点だった「通信品質」の改善を見込める一方、インフラ整備に向け2年で1兆円規模の投資負担がのしかかる。

ソフトバンクはインフラ整備に1兆円以上を投じる計画(2011年10月、東京・秋葉原の契約カウンター)

ソフトバンクに割り当てられる900メガ(メガは100万)ヘルツの新帯域は「プラチナバンド」と呼ばれ、電波が障害物を回り込んで遠くまで届きやすい特性がある。NTTドコモとKDDI(au)はプラチナバンドに相当する800メガヘルツ帯を既に保有しており、ソフトバンクはかねて通信品質の面で不利だと主張していた。

ソフトバンクで新帯域を使える端末は米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)4」以降の機種と台湾HTC製のスマホ。早ければ7月から新帯域を使えるようになる。国産スマホや従来型の携帯電話では使えない。

しかしiPhone4などの利用者が新帯域に移行すれば現在使っている帯域の混雑が減るため、ソフトバンクでは「従来型携帯電話がつながりやすくなる効果も見込める」としている。

ソフトバンクの孫正義社長は新帯域の獲得で「つながりにくいとの汚名を返上する」とし、基地局などの設備に2011年度と12年度の合計で1兆円以上を投じる計画だ。年間1000億円程度、設備投資を積み増すことになり、財務負担は増す。

ソフトバンクの携帯電話は情報量が多いが障害物にぶつかると届きにくい高周波帯域の電波を使っているため利用者から「つながりにくい」との声が多かった。

昨年10月からiPhoneを売り始めたKDDIは、この弱点を突いて「iPhoneに、もっと『つながり』を」と宣伝している。「最大の弱点が改善することで競争力が高まる」(SMBC日興証券の森行真司シニアアナリスト)との見方が多い。NTTドコモやKDDIに比べて高い解約率の改善も見込める。

国内スマホ市場ではiPhoneの販売権を持つソフトバンクがシェアを伸ばしてきたが、昨年10月にはKDDIがiPhoneの販売に参入。3月にもアップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」の販売に参入する。KDDIは3月1日から携帯と固定回線のセットで割引する新料金体系を導入してソフトバンクを追い上げる。

新帯域の割り当ては、スマホの通信量増大に悩まされる携帯各社の頼みの綱。通信障害の頻発で利用者のスマホへの信頼は揺らぎ始めており、各社は新帯域の活用で通信品質の改善を急ぐ必要がある。

 ▼周波数 電波や音波などの1秒間の波の数を指す。波の山から次の波の山まで1秒かかった場合、周波数は1ヘルツ。900メガヘルツは波の数が1秒間に9億回ある電波を意味する。
 周波数が高い電波は伝えられる情報の量が多いが建物などの障害物を迂回できない。低い周波数では情報量は少ないが、障害物を乗り越えたり回り込んだりして伝わる特性がある。

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