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「人新世」議論活発に 水の危機回避へ6つの行動
日本総合研究所理事 足達英一郎

(1/2ページ)
2013/6/5 7:00
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 今月20日、米オクラホマ州で発生した巨大竜巻。そのインパクトの大きさに、米国のメディアでは、果たして地球温暖化が竜巻の発生頻度や強度に影響しているのかを巡り、多くの記事が出ている。

 米航空宇宙局(NASA)の科学者たちが開発した世界的な気候変動モデルをもとに、2007年に発表された報告書では、地球温暖化が竜巻の脅威を増すと予測されていた。今回は多くの記事を見る限り、「巨大竜巻と地球温暖化の因果関係があるとは言えない」という主張のほうが支配的なようだ。

水循環系を取り巻く状況変化と問題点
背  景
  • 気候の変化
  • 都市への急激な人口・産業の集中および都市域拡大
  • 多消費型社会への変化
  • 経済の高度化、効率性重視、など
要  因
  • 少雨化傾向、多雨・少雨の格差拡大
  • 流域のかん養機能、保水・遊水機能、自然浄化機能の低下
  • 水質汚濁負荷の増大、汚濁物質の多様化
  • 安全な水、おいしい水のニーズの増大
  • 地下水の過剰採取、など
水循環系の問題点
  • 通常時の河川流量の減少
  • 渇水の頻発
  • 都市型水害の多発
  • 洪水・渇水被害ポテンシャルの増大
  • 非常時の用水確保の困難化
  • 地下水位低下、湧水枯渇、地盤沈下
  • 生態系への悪影響、など

(出所)国土交通省水資源部

 しかし、一方で「地球温暖化が干ばつ、熱波、降水量変化をもたらすということは相当程度、ハッキリしている」という記述や「気候パターンの変化はハリケーンの発生頻度に影響を与えている」という指摘が米国においても一般的に見られるようになったという変化は興味深い。

 先週後半には、世界の水問題に立ち向かう研究者や政策決定者を集めて、国際水循環システムプロジェクトがドイツのボンで大規模な国際会議を開いた。そのメインテーマは「人新世における水問題」というものだった。

 「人新世」とは地学などで最近、用いられるようになった新語で「人間が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった、18世紀後半の産業革命以降の時期」を指す。要するに人間の作り出したダム、灌がい、土地の改変が水循環のあり方を大きく変え、それに気候変動が拍車をかけているというのだ。

 地球上の淡水の循環は、きわめて不安定な状態にあるというのが、多くの研究者の共通認識となっている。農業や畜産業が大量の淡水を費消し、地下水のくみあげが地盤沈下をもたらし、土地の改変が多量の堆積物を発生させ水の流れを変え、不適切な灌がいが河川の水を干上がらせている。こうした現象は、単に人々の飲み水や衛生管理の問題にとどまらず、生態系を持続できるかどうかを左右する脅威になっていると警告が発せられている。

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