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1億人超えのLINE、ネット史に残る成長へ「変化続ける」

森川亮・NHNジャパン社長

2011年6月にNHNジャパンから生まれた「LINE(ライン)」が、わずか1年7カ月で日本はもちろん、アジア・中東・南米など全世界の人々に大きな影響を与え、インターネットの歴史に残るような成長を遂げている。

 1989年筑波大卒。日本テレビ、ソニーを経て2003年ハンゲームジャパン(現NHNジャパン)入社。07年社長。

スマートフォン(スマホ)でナンバーワンになると決意してから、どうすれば成功モデルを作れるかを試行錯誤してきたので、結果を出せたことを大変うれしく思う。

様々な国や地域出身の社員達が、それぞれの強みを持って喧々囂々(けんけんごうごう)議論する一方、結論が出たら速いスピードでクオリティーの高いサービスを出すということを繰り返してきたことが成果につながった大きな理由だと考える。

小さくても国際競争力を維持している国や企業は、自国にとどまっていては成長に限界があることをよくわかっているから、最初から世界で戦えるサービスに重点を置いているようにみえる。

日本企業は最初からグローバルを目指さないと言われることが多いなか「LINE」は世界をターゲットにしたサービスとして目標設定をしており、世界に通用するサービスになりうるのか、これからが本当の戦いだと思う。

今年は、日本国内はもちろんのこと、グローバル展開にさらに注力する。日本発ということで日本や日本人の強みを生かすことも考えるが、そこにこだわるとかえってグローバルでの成功を逃しかねないと思う。世界中の人たちの力を集め、それぞれの国の良い部分を生かしながら、ユーザーファーストの気持ちで求められる価値を最大化することにまい進したい。

私はテレビ局というマスメディアで社会人最初の10年間を過ごした。そのなかで、テレビというメディアがいかに強いビジネスモデルを持っているか、社会への影響が大きいかを実感した。

 その後、インターネットが誕生し興味を持ってこの世界に入り、早くも20年近くがたったが、今でもテレビのメディアの強さを実感する。その一方で、昨今のソーシャルメディアと呼ばれるコミュニケーションをベースとした新しいメディアの情報伝達力、感情共有力、そして成長スピードに日々驚かされている。

利用者数が1億人を突破し、社員にあいさつする森川社長(18日午後)

よく言われることだが、ソーシャルメディアというものがインターネットだけでなく、今後はオフラインも含め生活のインフラとなるのは間違いないだろう。

多くの情報があふれるこの現代において、すっと心に入ってくるコミュニケーションは、信頼し相互に影響を与える関係性やいつでもつながっている共感を生む関係性が中心になると思う。そのベースがソーシャルメディアになり、まだまだ始まったばかりのこの変化がここ数年でダイナミックに社会全体を変えることになるだろう。

インターネット業界は常に変化にさらされている。今現在ナンバーワンだからとか、すごい技術があるとか、ユーザー基盤があるとか、ということに安住せず、世界でひしめくグローバルサービスと対等に戦っていくためには、これまで以上に速いスピードでサービスの品質を高め、新しい価値を、いち早く提供し続けなくてはいけない。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」というイギリスの自然科学者ダーウィンの言葉を日々かみしめている。

[日経産業新聞2013年1月31日付]

 この連載は変革期を迎えたデジタル社会の今を知るためのキーパーソンによる寄稿です。従来からの執筆陣に加え、東芝研究開発センター所長斉藤史郎氏に代わりKDDI研究所会長の安田豊氏が、カヤック社長柳沢大輔氏に代わりNHNジャパン社長の森川亮氏が持ち回りで執筆します。(週1回程度で随時掲載)

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