2018年1月24日(水)

サノフィCEO「慢性疾患管理にIT駆使」

2012/10/30付
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 サノフィの歴史は1700年代にさかのぼる。以来、300件以上のM&A(合併・買収)を経て世界のトップの一角を占める製薬企業になった。

サノフィCEO クリストファー・ヴィーバッハー氏

サノフィCEO クリストファー・ヴィーバッハー氏

 ただ製薬業界は(製品開発の面で)競争が激しい市場だ。しかも科学技術はどういう方向に進むか予測が難しい。(効果的な新薬の開発は容易ではなく)この30年間を振り返っても特許が切れたとたんに、従来の方法で新薬を出せた会社はないくらいだ。

 サノフィは新薬開発の投資資金を確保するため、成長基盤をワクチンや動物関係の医薬品、糖尿病の治療などに求めてきた。希少疾患やバイオテクノロジーにも力を入れている。

 近年、日本や米国などの先進国では医療費が増大しているが、これは疾病の質が変わってきたためだ。80年前であれば事故や難産、心臓発作など偶発的な疾病が主だったが、現在はそれらに加えて、何十年も治療しなければいけない慢性疾患が問題になっている。

 例えば糖尿病だ。遺伝的な要因が大きい「1型」に対して、「2型」は糖の取りすぎや体重の増えすぎが原因。米国では、発病後は(総額)10万ドルかけて治療するのに、予防には1ドルも使われていない。医療制度が病気になった後に介入することを前提としているからだ。こういうシステム自体をつくり替えて健康増進に注力しなければならない。

 これには技術革新が役に立つし、必要とされている。医療業界はこれまで、IT(情報技術)を積極的に活用してこなかったが、ITは慢性疾患の管理に有効だ。例えばサノフィは米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone」用に血糖値の測定装置として使えるアプリを開発した。患者はスマホで慢性疾患を管理し、進行を遅らせることができる。新興国においてもこうしたヘルスケアシステムの導入を検討している。

 (予防のための)システムは製薬企業にとって脅威ととらえる向きがある。だがテクノロジーと薬を合体できれば、有意義な解決策を提示でき競争優位につながるはずだ。日本は世界で最も早く高齢化が進んでいる国だ。(代表的疾患である)アルツハイマー病の治療などの開発は急務だ。できなければ介護需要が増え、医療制度は崩壊する。

 (そのために必要な)イノベーションを起こすのには、知識を社会的に有用なものに変換するシステムが必要。トップレベルの大学と、そうした大学に投資し、さらに研究開発に優れた会社に投資するサイクルが重要だ。医療費増大に対応するためにも、慢性疾患に立ち向かわなければならない。

 クリストファー・ヴィーバッハー氏 カナダ・クイーンズ大卒。88年グラクソスミスクライン入社、北米医薬品部門社長などを歴任。08年サノフィ・アベンティス(現サノフィ)最高経営責任者(CEO)、11年からジェンザイム会長を兼任。52歳

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