アサヒ、中国食品最大手に出資発表 伊藤忠とも提携

2010/9/28付
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アサヒビールは28日、中国食品・流通最大手の頂新グループに出資すると正式に発表した。出資額は5億2000万ドル(438億円)。頂新に20%を出資している伊藤忠商事とも中国事業で提携し、3社で成長市場を共同開拓する。一方、2011年8月末に兵庫県西宮市の工場を閉鎖し、ビール生産機能を吹田工場(大阪府吹田市)に移管する集約も発表。成長戦略の軸足を市場が縮む国内から海外にシフトさせて収益基盤を強化する。

アサヒは10月末に頂新グループの持ち株会社「頂新ホールディング」(本部・台北市)が実施する第三者割当増資を引き受け、頂新株式の6.54%を取得する。アサヒと伊藤忠は頂新への共同出資を目的とする新会社を都内に設立、ここに両社が保有する頂新株を11月末までに移管する。アサヒと伊藤忠の頂新への出資比率は25.2%となる。一方、アサヒは04年に頂新グループと設立した清涼飲料の合弁「康師傅飲品」の保有株40%のうち8%を、5億2000万ドルで頂新に売却する。

頂新グループは中国の即席めん最大手「康師傅(カンシーフ)」やコンビニエンスストア「ファミリーマート」を展開する「頂全」など有力企業を抱える。従業員数6万3000人で、康師傅の年商は4200億円。提携する日中3社は頂新の拠点や販路、アサヒが持つ健康食品などの技術、伊藤忠の国内外企業との取引を活用。中国だけでなく台湾でも、原料調達、商品開発から生産販売まで提携を具体化する。

アサヒは1994年に杭州ビールに出資してから北京や煙台など沿岸部の現地ビール企業に投資したが、赤字が続いていた。09年4月に中国2位の青島ビールに約20%出資してから各工場の稼働率が上昇し、11年12月期には中国のビール事業が初の営業黒字に転換する見通し。今回の大型提携で収益力強化を狙う。

一方、国内は西宮工場からビール系飲料の生産機能を吹田工場に移管。1927年に操業を開始した同工場は年産能力2730万ケース(1ケースは大瓶20本換算)。ビール9工場のうちの主力拠点だったが、老朽化が進んでいた。同2380万ケースの吹田工場への集約で年間45億円のコスト削減を見込む。社員130人は配転などで対応。西宮市で会見したアサヒの唐沢範行常務は「派遣・業務請負の非正規社員(約170人)もできる限り再就職を支援する」と語った。

一連の事業再編に伴いアサヒは10年12月期に、中国・康師傅飲品の保有株の頂新への売却で特別利益330億円、西宮工場閉鎖で特別損失205億円を計上する。10年12月期の連結純利益見通し(前期比9%増の520億円)への影響はないとしている。

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