日航「計画下振れ不可避」 震災で需要大幅減
会社更生手続き完了

2011/3/28付
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日本航空が28日、会社更生手続きを完了した。日航は昨年1月の会社更生法適用申請から約1年2カ月ぶりに裁判所の管理下を離れる。ただ、東日本大震災の影響で旅客は大幅に減る見通し。稲盛和夫会長は同日、今後の経営計画について「大幅な下振れが避けられない」と説明した。次の目標である2012年中の株式再上場に向けては経営戦略の立て直しが不可欠だ。

記者会見する日航の大西社長(左)と稲盛会長(28日、東京都品川区)

記者会見する日航の大西社長(左)と稲盛会長(28日、東京都品川区)

東京地裁が同日、更生手続きの完了を決定した。日航は同日付で日本政策投資銀行や3メガ銀のほか、東京スター銀行など計11行から2549億円の新規融資を受け、手元資金とあわせて更生債権(破綻前の借金)を全額弁済した。また、日航は財務基盤強化のために京セラや大和証券グループ本社など8社から総額127億円の出資を受けたと正式発表した。これにより、企業再生支援機構の持つ議決権の割合は96.5%となった。

更生手続き開始後、日航は従業員を3分の2に絞る人員削減や国内外の路線縮小、ホテル事業の売却などのリストラを進めた。需要回復や円高もあり、10年4月~11年2月累計の連結営業利益は1749億円を達成。11年3月期は通期目標である641億円を上回り、過去最高益の更新が確実だ。

日航は4月以降に、更生計画で掲げた「13年3月期に営業利益1175億円」などの目標を見直し、新たな経営計画をまとめる予定だった。12年中の株式再上場を目指すが、ここに来て逆風が急激に強まっている。

日航の経営破綻前後の比較
2010年3月期11年3月期
売上高1兆4948億円1兆2758億円
(4~2月)
営業損益1337億円の赤字1749億円の黒字
(4~2月)
従業員4万8714人3万2600人(予)
国際線56路線47路線
国内線148路線121路線

同日開いた記者会見で、大西賢社長は「震災以降、旅客数は国内線で28%、国際線で25%程度落ち込んでいる」と発言。4月に国際線を減便することを決めた。

今後の経営計画の修正は避けられないが、見直しをするにしても「原発問題が解消しないと計画を立てにくい状況」(支援機構の瀬戸英雄・企業再生支援委員長)。状況次第では、さらなる資本増強やもう一段のリストラなどが議論に上る可能性もある。

さらに海外では格安航空会社(LCC)との競争が激化。航空自由化の流れで航空連合同士のサービス競争も過熱している。中東情勢の影響で航空燃料が高騰する懸念もある。

4月からは稲盛会長が京セラで実践した「アメーバ経営」の手法を導入した部門別の採算管理システムが稼働し、稲盛会長が唱える収益にこだわる経営を実践することになる。破綻後の取り組みで日航がどれだけ生まれ変わったのか、逆風下で真価が問われることになる。

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