2017年11月21日(火)

「東電+フェイスブック」は正夢か

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2011/1/1 7:00
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 201X年X月X日、東京電力は米フェイスブックと電力事業の世界展開で合意した。会員の友達同士が電力を融通できるようになる――。「次の10年」に、こんなニュースが世界を駆けるかもしれない。急進するエネルギーとIT(情報技術)の融合。キープレーヤーの組み合わせは無限だ。

 ボーイングやアマゾン・ドット・コムなど米国の有力企業が集まるワシントン州シアトル。昨夏、その郊外に広がるマイクロソフトの本社キャンパスを訪れると、ある開発部門の幹部が一押しのアプリケーションサービスを熱心に説明してくれた。

 サービスの名前は「Hohm」。利用は無料。登録したユーザーはネット上で家庭のエネルギー消費の診断、省エネへのアドバイスが受けられる。どれだけ利用者がいるのか教えてくれなかったが、仮に独占禁止法を気にせず、基本ソフト(OS)の定番「ウィンドウズ」のユーザーに提供してしまえば、世界を網羅するエネルギー情報ネットワークが立ち上がる。

 ウィンドウズの圧倒的シェアを頼みにできなくても、時価総額が20兆円ほどあるマイクロソフトの資本力なら、いざとなれば、なんでもできる。同じく電力事業にも手を広げるグーグル、スマートグリッド(次世代送電網)市場開拓への意欲を示すIBMやゼネラル・エレクトリック(GE)だけではない。金融危機後の米国経済に元気はないが、資金や技術、ノウハウを蓄えた企業はいくらでもあるのだ。

 利用者が5億人を突破したフェイスブックは株式未公開ながら、推定時価総額は4兆円を超えるとも言われる。その交流サイト(SNS=ソーシャル・ネットワーク・サービス)世界最大手が利用者向けにエネルギー消費を測定して制御するようなサービスをネット上で提供するようになったら、どうだろう。電力大手や通信大手といった公共サービスの巨大企業より「深い個人情報」を持つフェイスブックとスマートグリッドなど分散型電力ネットワークを支える技術が組み合わされば、ひと味違った電力サービスができるようになるはずだ。

 米国のビジネス界ではここ数年、「IT(Information Technology)からET(Energy Technology)へのシフト」が騒がれてきた。米国のダイナミズムを生んできたベンチャーキャピタルも、ITからエネルギー分野に投資のかじを切っている。そして、有力な企業は日本への関心も高い。「製造業への回帰」を進めるGEは富士電機ホールディングスと合弁会社を2月1日に設立、日本のスマートメーター市場をうかがう。無視できないほど動きは激しくなっているが、日本勢は無関心でいられるのだろうか。

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