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エルピーダが更生法申請 負債4480億円、半導体市況悪化で苦境

(更新)

パソコンなどに使う半導体のDRAMで世界3位のエルピーダメモリは27日、会社更生法の適用を東京地裁に申請し、受理された。負債額は約4480億円(2011年3月末時点)で、製造業では過去最大。09年に公的資金300億円を使って政府も再建を支援したが、市況低迷や円高で業績が悪化。韓国メーカーとの競争力格差が広がる中、経済産業省や金融機関も再建は難しいと判断し支援を断念した。電機産業の苦境が一段と深まってきた。

記者会見する坂本幸雄社長(27日、東証)

東京証券取引所は27日、東証1部のエルピーダ株を3月28日付で上場廃止にすると発表した。3月27日までは整理銘柄に指定し、売買を継続する。

エルピーダは昨年末から米半導体大手のマイクロン・テクノロジーや台湾の半導体大手、南亜科技と資本・業務提携交渉を本格化した。価格が急落したパソコン向けDRAMの生産を台湾に移すなど日米台連合で開発・生産体制を再編し、生き残る道を模索してきた。

エルピーダの坂本幸雄社長は27日夕、都内で記者会見した。自力再建を断念した理由について「(提携交渉先から)今日までに様々な提案が来ることになっていたが、具体的な案が来なかった」と説明した。

国内で唯一の生産拠点である広島工場(広島県東広島市)は米半導体受託生産大手、グローバル・ファウンドリーズ(カリフォルニア州)に売却する交渉も進めてきた。坂本社長は広島工場について「操業は続ける」と述べるにとどまった。

通常の会社更生手続きでは経営陣は退任するが、エルピーダは主要債権者の同意などを前提に一部の経営陣が残る「DIP型会社更生」を目指す。坂本社長は当面、留任する。申立代理人の小林信明弁護士は「半導体業界は高度な専門性が必要。坂本氏に再建を全うしてもらうのが経営責任につながる」と述べた。

今後、東京地裁が監督委員兼調査委員に選任した土岐敦司弁護士のもとで再建計画を策定することになるが、支援企業の選定が焦点となる。

エルピーダは09年に改正産業活力再生法(産活法)の認定を受けた。業績不振の事業会社を公的資金を使って支援する枠組みの適用第1号となった。日本政策投資銀行が優先株を引き受け300億円を出資。三井住友銀行やみずほコーポレート銀行など主取引銀行4行が中心となり約1000億円を協調融資した。

経済産業省や政投銀などは、3月末に期限の切れる産活法の適用延長や融資継続を認める前提として、抜本的な経営再建策の提出をエルピーダに求めていた。一部の金融機関は提携の実現性を含め再建への道筋が明確でないとして、支援継続に難色を示したもようだ。

日本の半導体メーカーは1980年代、世界のDRAM市場で計約8割のシェアを握った。日米半導体摩擦が高まり能力増強をためらう間に、サムスン電子など韓国メーカーが台頭。積極的な投資で事業を拡大し、日本勢をシェアで逆転した。

NECと日立製作所、三菱電機の3社が事業を統合したエルピーダはDRAM事業の「最後の砦(とりで)」だったが赤字が続き自己資本比率が低下。コスト競争力のある最先端品の投入で手元資金の潤沢なサムスンの後手に回り、業績が低迷する悪循環に陥った。

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