中国、労使間のトラブル多発 3年で倍増、賃上げ要求強まる

2010/5/28付
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 中国での急速な賃金上昇に対し、現地に進出する日本の製造業も対応を迫られている。中国・平湖市や東莞市など沿海部にモーターの大規模工場を構える日本電産では「賃金が上昇し、人を集めるのが難しくなった」(永守重信社長)として、各工場から数十キロ離れ、人員を確保しやすい内陸部に小規模な分工場を展開し始めた。

 検査など作業が単純で人手がかかる一部の工程を分工場でこなし、従来の工場でモーターに仕上げる。今後の生産能力の増強の軸足を、フィリピンやベトナムなどの東南アジアの工場に移すなどの対応策をとる。

 中国では労使間のトラブルも増加している。2009年に発生した労働争議の件数は約60万件で、06年の2倍に増加した。労働者の権利を保護する労働契約法が08年に施行されたことが引き金だ。また若年層を中心に、賃金や残業などへの不満が高まっていることも背景にある。

 労使トラブルは外資系工場が集積する沿海部で多発している。表面化したのは一部だが、日系を含む多くの工場でストライキが頻発しているもようだ。労働契約法は厳しい条件で働く労働者を保護する内容で、社会調和を掲げる胡錦濤政権肝いりの政策だ。格差拡大への不満の矛先を中国政府からそらす狙いが隠れている。

 労働者の勤労意識の変化を指摘する声も多い。労働者の多くは経済の改革開放が始まった1970年代後半生まれで、以前より豊かな生活を送ってきた。厳しい工場での生活とテレビなどを通じて流れる都市の生活のギャップは大きく、この不満が企業に向かう悪循環が続いている。

 企業は福利厚生の充実で従業員を納得させたり、将来の幹部候補生を組合や従業員の代表に抜てきして労使交渉をスムーズに進めたりと、労務対策に知恵を絞っている。

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