楽天、ジャスダックから東証1部に上場市場変更 12月
楽天は26日、東京証券取引所の承認を受け12月3日付でジャスダック市場から東証1部に上場する市場を変更すると発表した。機関投資家に株式を保有してもらいやすくする狙い。東証1部への上場記念配当のほか、株主優待制度や米国預託証券(ADR)を発行できる仕組みの導入も発表。国内外で知名度や株式の流動性を高める施策を相次ぎ打ち出した。
海外展開を積極化する楽天は今期(2013年12月期)から国際会計基準を導入。知名度を高めやすい東証1部への上場準備も進めてきた。新興市場であるジャスダックに投資できない内部規定を持つ国内外の一部年金基金や大手投資ファンドなどの「東証1部に上場してほしいとの要望に応えた」(財務部)という。
13年12月期の期末配当は記念配1円を含む4円(前期の期末配当は3円)とする。株主優待制度の導入で個人投資家の裾野を広げるほか、海外投資家がドル建てで楽天株を売買できるようADRを発行する仕組みを設ける。
楽天株は26日時点の時価総額が1兆8986億円と国内市場で48位。ジャスダックでは1位で、2位のガンホー・オンライン・エンターテイメント(7384億円)を引き離す。13年の売買代金はジャスダック全体の約6%を占め、市場変更で「ジャスダックの取引量が減る恐れがある」(ネット証券)という。