迷走する石炭火力入札 環境省は対決姿勢、不成立の恐れ

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2013/3/4 7:00
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東京電力は石炭火力の比率が小さい(茨城県東海村の常陸那珂火力発電所)

東京電力は石炭火力の比率が小さい(茨城県東海村の常陸那珂火力発電所)

ある有力企業の幹部は「環境省が石炭反対の姿勢を貫けば、東電の入札に応募する企業はゼロだろう。原発再稼働の見通しが立たず、石炭火力の増設もムリとなれば、日本の電力供給の安定はますます遠のく」と訴える。

環境アセスをどう扱うかは、電源不足の今の日本にとって大きなテーマだ。政府の規制改革会議が2月15日に示した「課題の代表例」のなかにも、「石炭火力発電所建設時の環境アセスメント手続きにおけるCO2排出に関する予見性の向上」という項目が入った。「環境アセス終盤に示される環境大臣意見の予見性が低いため、石炭火力にふさわしい地点が存在し、かつ事業者に開発意欲があっても建設判断が困難な状態」と指摘している。

電力値上げが相次ぐ中で、コストの安い石炭火力を積極的に活用するのか、あくまでCO2減らしの観点から石炭に後ろ向きな立場を続けるのか。環境省と経済産業省は東電の入札に関する局長級会議を設置し、協議を続けるというが、おそらくは平行線で終わるだろう。

その時に安倍晋三首相以下の政府首脳がどんな判断をするのか。エネルギーをめぐる対立軸といえば原発ばかりがクローズアップされるが、石炭についての意思統一も政府としての大きな仕事だ。

(編集委員 西條都夫)

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