持ち運べるEV・バイオリン演奏ロボ…モノも未来も自ら創る
起業~Start up

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2013/3/1 18:08
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統計によるとベンチャー投融資も金額、件数とも上向きだ。注目分野はハード。米国でもグーグルやアマゾン・ドット・コムがハード事業に進出した。ネット決済大手ペイパル創業者のイーロン・マスクがEVに取り組むなど、ハードに魅せられる起業家は多い。「ハード・イズ・クール」が世界のうねり。日本も例外ではない。

開発したバイオリン演奏ロボについて話すフェアリーデバイセズの藤野氏(東京都文京区)

開発したバイオリン演奏ロボについて話すフェアリーデバイセズの藤野氏(東京都文京区)

東京都文京区。産業用リニアモーターをソフトで制御し、バイオリンを奏でる装置などがオフィスに並ぶ。08年に業務を始めたフェアリーデバイセズの事業目的は「使う人の心を暖かくする技術の開発」。フェアリーは英語で妖精を意味する。

■病床の少女を思い

創業者の藤野真人(31)は東大大学院に通う研究医の卵だった。病院での実習中、長期入院する少女と運命的な出会いをする。医療機器に囲まれた手術室で、心の支えは枕元のくまのぬいぐるみだけという光景に心を揺さぶられた。「世界の星空を少女に見せられる機器をつくりたい」。大学院を中退して起業し、タブレットを使ったプラネタリウムをつくった。

年内の発売を目標に、藤野はいまベッドサイドに置く機器の開発に打ち込む。親しみやすい動物の形状で、対話するように音声で操作する。目覚まし時計の設定、エアコンや照明の調節ができる。「スマホ用のソフト開発は誰もがやっている。ハードまで掘り下げなければできないことをやる」と藤野は言う。

10年設立の電動バイク会社、テラモーターズ(東京・渋谷)は13年秋、ハンドル部分にスマホを取り付け、スイッチや地図に使えるモデルの量産に入る。

社員は15人。大手商社の内定を断った若者や、若いころに味わった仕事へのわくわく感を求める二輪メーカー出身のベテランもいる。「日本に面白い企業ができれば、優秀な人材は海外に流出しないはず」。創業者の徳重徹(43)は日本発の成功モデルをめざす。

これまでにない起業家たちの物語。それぞれのページがめくられる。このうねりが、閉塞感の漂う日本の活力になる。=敬称略

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