2019年8月20日(火)

東電社長、汚染水流出「公表3日前に認識」

2013/7/26付
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東京電力の広瀬直己社長は26日に記者会見し、福島第1原子力発電所から海に汚染水が流出している問題について「消極的な姿勢があり、発表が遅れた」と陳謝した。自らも公表3日前の今月19日に認識していた事実を明らかにした。事故処理のトラブルも後を絶たず信頼回復には意識改革など相当の努力が必要だ。

東電は26日、国内外の有識者による第三者委員会「原子力改革監視委員会」の第4回会合を開催した。3月末に作った原子力改革プランの進捗状況を報告し、汚染水問題に対するリスク管理の甘さや対策不足を認めた。これに対し、委員らは海への汚染水漏れの可能性を示すデータがあるのに、22日まで公表しなかった東電の姿勢を厳しく批判した。

記者会見する東電の広瀬社長(26日、東京都千代田区)

記者会見する東電の広瀬社長(26日、東京都千代田区)

改革監視委の委員長を務める米原子力規制委員会(NRC)のデール・クライン元委員長は記者会見で「対応のまずさにいらだちを覚える。国民に情報を伝達する能力がないかのようだ」と強調し、抜本的な意識改革を求めた。

広瀬社長によると、7月18日に海への汚染水流出を裏付ける潮位と地下水位のデータを本店が把握。19日夕刻に広瀬社長、原子力部門、広報部などが協議して速やかに公表する意向を確認した。だが、広瀬社長は「公表前に漁業関係者に知らせた方がいい」と指示。22日に関係部門が漁業関係者に説明し、その日の夕刻に発表した。20~21日は公表資料を作成していたという。

そもそも東電が最初に海側の井戸から放射性物質を検出したのは5月下旬。その後、地下水や海洋の放射性物質濃度が上昇し続けたのに、危機意識は薄かった。

広瀬社長は「最終的な判断のよりどころとなるデータにこだわりすぎた。この1カ月の間に発表できる機会はあった」と釈明した。一方、情報を意図的に隠していた事実はないと主張した。

東電は、明確な根拠を示せない評価結果でも、そのリスクの最悪の事態について迅速に言及することを基本方針とする考えを表明。改革監視委は情報公開の取り組み状況を厳しくチェックする。

東電は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を目指し、原子力規制委員会に早期に安全審査を申請する方針を示している。ただ、新潟県の泉田裕彦知事が反発しており、先行きを見通せていない。今回の汚染水問題への対応を巡って、一段と反発が強まる可能性もある。

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