2018年10月21日(日)

海洋温度差発電、久米島で始動 クリーンで無尽蔵な再生エネ

(1/4ページ)
2013/4/29 7:00
保存
共有
印刷
その他

海洋温度差発電の世界唯一の実用実証プラントが沖縄本島の西約100キロの久米島で動き出した。島の東海岸にある沖縄県海洋深層水研究所に出力50キロワットの発電プラントが完成、4月半ばから実験を始めた。エビの養殖や野菜の栽培などに海洋深層水を活用している研究所の電源に使うほか、島全体の電力系統にもつなげる。

■6月には24時間連続運転に

久米島の沖縄県海洋深層水研究所に完成した海洋温度差発電プラント

久米島の沖縄県海洋深層水研究所に完成した海洋温度差発電プラント

東シナ海を臨む海岸に建設した発電プラントの1階で、施設の中核部分を手がけた、エネルギーベンチャーのゼネシス(東京・中央)の岡村盡エンジニアリンググループ部長代理が状況を表示するパソコンをにらむ。隣には巨大な取水塔が建ち、ここから深層水と表層水をもらう。

1月下旬から久米島の民宿に泊まり込み準備を進めた岡村氏は「今は発電タービンをチェック中だが、熱交換は順調。6月には24時間連続運転に入る予定」という。深層水の量が変化した時の熱交換器やタービンの負荷など、2年で様々なデータをとる。

海洋温度差発電は600~1000メートル程度の深海の冷たい深層水と表層の暖かい海水の温度差を利用して発電する。沸点の低い熱媒体を表層水で気化させ、タービンで発電、冷たい深層水で液体に戻す。

久米島の場合、深層水研究所が約2キロを超える長さの取水パイプで600メートル強の深さの海底からセ氏8.5度の深層水を取水し、夏で29度、冬で22度程度、平均すると26.5度の表層水を使う。これまで佐賀県伊万里市に佐賀大が持つ出力30キロワットの設備が唯一の実証機だったが、深層水ではなく、人工的に温度差を作り出して実験している。

久米島の深層水研究所は深層水の1日の取水量が1万3000トンと日本最大の規模を誇る。近海に深い海域があり、表層との温度差も大きく、「海洋温度差発電のベストサイト」(佐賀大の池上康之准教授)という。実証実験は40年以上海洋温度差発電の研究をしている佐賀大が技術面で全面協力している。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報