中国BOE、13年から有機ELパネル量産 スマホ向けに

2011/10/26付
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中国の液晶パネル大手、京東方科技集団(BOE)は2013年に中小型の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルの量産を始める。主にスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けにガラス基板換算で月間2.4万枚を生産する。液晶より薄くでき消費電力も少ない有機ELは成長市場。韓国サムスン電子がほぼ独占する世界市場へのBOE参入で競争は一段と激化し、出遅れる日本勢は新たな対応を迫られそうだ。

BOEの王東昇董事長が26日明らかにした。中国企業で有機ELパネルを量産するのは初。220億元(約2627億円)を投じ内モンゴル自治区オルドスに「第5.5世代」と呼ばれる縦1300ミリ、横1500ミリのガラス基板を使う最先端工場を建設。月間で有機ELパネルを2.4万枚、高精細の液晶パネルを3万枚生産する。

11月初めに日本法人を設立し、液晶や有機EL関連で高い技術を持つ製造装置メーカーや材料会社との連携を強化する方針も示した。日本の電機各社への営業戦略も強化する意向だ。

液晶では、価格競争が激しいテレビ向け大型パネルの生産ラインを高精細の中小型向けに転換していく考え。12年から中国・成都の液晶工場の一部のラインを改造し、ガラス基板換算で月間1万5000枚分を中小型向けに増産する。

中小型パネルはスマホやタブレット型端末向けに世界的な需要増が見込まれ、米調査会社ディスプレイサーチによると15年には10年比2.4倍の523億6476万ドル(約3兆9739億円)になる見込み。有機ELは3.6倍と伸びが顕著だ。

BOEは中国の液晶パネル最大手。テレビ向けが中心だが、価格競争の激化を受けて事業立て直しを進めている。王董事長は「常に新しい技術に投資し収益力を高めていきたい」と述べ、次世代技術に経営資源を集中させる考えを示した。

有機ELでは、サムスン電子が世界シェア約8割を握る。販売が伸びている自社のスマホ向けに生産し、5月には世界最大のガラス基板を使う新工場を韓国で稼働させる。液晶パネルで世界2位の韓国LG電子も12年に55型の有機ELテレビを発売すると表明した。

液晶事業の収益悪化などで有機ELに十分な投資ができなかった日本勢も巻き返しに出つつある。東芝、日立製作所、ソニーの3社は官民ファンドの産業革新機構の支援を受けて来春、中小型液晶パネルの統合新会社を発足させる。重要テーマの1つが有機ELパネルの開発だ。産業革新機構が拠出する2000億円を使い、早期の量産実現を目指す。

横浜市で26日開幕した薄型ディスプレーパネルの国際展示会「FPDインターナショナル2011」。3社の事業統合を主導した産業革新機構の谷山浩一郎マネージングディレクターが講演し、新会社について「有機ELパネルの研究開発費として年間100億円以上を投資する」と語った。

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