2019年2月16日(土)

鉄道ビッグ3に食い込め、世界20兆円市場争奪戦

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2013/7/30 7:00
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日本の鉄道車両機器メーカーが海外市場で存在感を高めている。JRなど鉄道会社に依存する国内のビジネスモデルに縛られず、独自の技術開発や地域性を生かして海外で単独受注に成功するケースが増えている。車両の動力源となる電機品やブレーキなど日本の鉄道機器は安全運行を支える要。「縁の下の力持ち」に世界が注目する。

鉄道車両用の機器を製造する東洋電機製造の横浜製作所(神奈川県横浜市)

鉄道車両用の機器を製造する東洋電機製造の横浜製作所(神奈川県横浜市)

「今すぐ成都に向かってほしい」。6月、鉄道車両のモーターなどを製造する東洋電機製造の社内が沸き立った。中国の鉄道で2年ぶりとなる日本企業の受注案件が決まったからだ。

納入するのは四川省成都市の地下鉄1号線の延伸用車両に使うモーターや電源などの電機品だ。中国は都市部の人口増加で地下鉄の延伸が不可欠な状況。中国の鉄道案件は急なキャンセルや延期がつきものといわれるが「現時点でキャンセルはゼロ。潜在的な需要は必ずある」。年間30回以上中国を訪問してトップセールスを続ける土田洋社長は手応えを強調する。「(中国は)政治的なリスクはあるができる限りの努力をしたい」

2年ぶりの「偉業」は中国の地下鉄で受注を積んできた同社の実績に裏打ちされている。今回、延伸で受注した地下鉄1号線を最初に受注したのは2007年。10年に2号線、11年には2号線の2期工事に加えて北京地下鉄向けの電機品も受注した。過去15年間で同社の中国の地下鉄向けのビジネスの規模は約300億円に達し、現地メーカーとの合弁会社で現地生産を進めている。

中国では11年の高速鉄道車両の事故や投資縮小、沖縄県・尖閣諸島を巡る日中対立で日本勢の鉄道案件の応札も停滞。中国に強い東洋電機製造も例外ではなかったが、今年に入り高速鉄道向けの受注も一部で回復してきたという。

積雪に頭を抱える欧州北部で強みを発揮する日本メーカーもある。鉄道用ブレーキやドア開閉装置製造のナブテスコだ。

スウェーデンやオランダの鉄道の線路で冬場に活躍するのが「エアージェット」と呼ばれる同社の除雪装置。線路に雪が積もると空気を噴射して自動で雪を取り除く。雪かきをする手間が省けてダイヤの乱れも防ぐ。

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