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「スイカ」データ外部販売 JR東、希望者は除外

東日本旅客鉄道(JR東日本)は25日、ICカード乗車券「スイカ」の乗車履歴などのデータを日立製作所に販売している事業について説明した。データの外部提供を事前に公表しなかったことについてJR東の田浦芳孝常務は「利用者に心配をかけた」と述べ、外部への情報提供を望まない利用者のデータは除外する対応を取ることを明らかにした。

日立は6月27日、JR東から購入したデータを活用し、駅周辺のマーケティング情報を提供するサービスを7月から始めると発表した。JR東はスイカでの乗降駅、利用日時、鉄道利用額、生年月や性別などに関するデータを提供しているが、名前や連絡先など個人を特定できる情報は含まれていないことから、JR東からは利用者に説明していなかった。

個人情報保護法は、第三者に個人情報を提供する場合、個人から同意を得ることを義務付けている。JR東は今回外部提供したデータは「個人情報に当たらない」とし、利用者に個別に許諾を取る必要はないと判断している。

ただ、日立の発表以降、JR東に24日までに苦情を含む約150件の問い合わせがあったため、見解を表明することにした。田浦常務は「様々な問い合わせや意見を頂いた。利用者に大変な心配をおかけし、極めて重く受け止めている」と陳謝した。

JR東はデータの外部提供を望まない利用者のデータを除外することを決め、26日から電話やメールで受け付ける。要望のあった利用者のデータを取り除いたうえで、新たに2カ月後に日立にデータを提供し直す計画だ。ただ、スイカのデータ活用はサービス向上や地域、駅、沿線の活性化に貢献すると強調。「今後も要望があればデータ提供を検討する」(田浦常務)という。

JR東のデータの外部提供に問題はあったのか。同社がデータの外部提供の事実を公表せず、利用者がデータの二次利用を拒否できる仕組みをつくらなかったことについて、野村総合研究所の小林慎太郎・上級コンサルタントは「対策不足といわざるをえない」と指摘する。

技術革新を追い風に急速に立ち上がったビッグデータビジネス。ビジネスのスピードにデータ利活用のルールが追いついていないのが実情だ。

個人情報を第三者に提供する際のルールでは、専門家でも解釈が分かれている。プライバシー問題に詳しい森亮二弁護士は「企業内で個人の特定が可能な状態で情報が保存されていた場合は、個人情報保護法上も利用について本人の同意を取るべきだとの解釈が一般的だ。外部に提供するときに個人が特定できないよう加工しているかどうかは関係ない」と指摘している。

政府は年内にデータ活用とプライバシー保護の両立に配慮したデータ利活用ルールを策定する方針。企業も自主ルールの策定で、プライバシーには十分配慮する必要がある。

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