2018年12月11日(火)

NHNジャパン・森川亮社長「LINEに経営資源集中」

2012/6/27 14:45
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――スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)用無料通話アプリ「LINE(ライン)」の世界利用者数が6月に4000万人を超えた。

「2011年6月のサービス開始以来、ユーザー数の伸びは当初目標を上回っている。年内に1億人ユーザーを獲得するという目標は無理な数字ではない。NHNジャパンは今後、組織上もライン事業に集中していく」

「(ゲームや検索などほかにも柱があるが)全社としての重要領域を、ラインとスマホの2つに大きく振り切る。ラインに携わる従業員も増やしており、いまでは80人に届く規模。東日本大震災前後は数人のプロジェクトチームだった」

――ラインは感情などを絵にしたキャラクターを送りあう『スタンプ』の一部有料化や、広告収入も見込める。

「日本法人の収益はこの先、ラインが主体になっていく。現状ではオンラインゲームの『ハンゲーム』事業が収益の大多数を占めている。ラインは現状では未完成で、これからサービスの価値を高めていく」

――ラインを始める前は、検索サービスでも独自性を追求してきた。

「NHNは人と人がつながる領域で成長してきたし、それをずっと考えてきた会社。(一般ユーザーが参加する検索サービスの)『NAVER(ネイバー)まとめ』は『探しあう検索』を突き詰めた」

「ネイバーまとめは、ソーシャルメディア上の情報をいかに早く探し、結びつけていくかにこだわっている。『まとめ作成者』と呼ぶ一般ユーザーが知恵を集め、価値をつくっていく。人と人の関係をつくることが大前提にある」

――ネット業界ではエンジニア獲得競争が激化している。

「すごい人が集まっている組織であることが重要。大量採用はせず、少人数で優れた人を集める方針でいく。最後はNHNで働きたいといわれるような会社にしたい。当社は職人的な人が多く、今後もサービスを一つ一つつくり、しっかり長期的に育てていく」

――M&A(合併・買収)には前向きに取り組むのか。

「NHNは内部で新しいサービスを生み出すことに力点を置く。企業規模も『大きくなってはいけない』と思っている。世界的に見て、ネット企業で大きい方がいいという場合はあまりないからだ」

「今のネット業界では後発企業の追い上げのスピードも速く、会員数を取り込むために買収するという事例は少ないと感じる。IT(情報技術)の世界では、資産を買うためのM&Aは減ってくるのではないか。一方、優秀な人を取り込むための買収はありうる。サービスをゼロからでも伸ばせる能力がある人がいるかどうかが、企業の競争力を左右する」

(聞き手は杉本晶子)

もりかわ・あきら 1989年筑波大第3学群情報工学専攻卒、日本テレビ放送網入社。99年に青山学院大で経営学修士号(MBA)取得。2000年ソニー入社。03年にハンゲームジャパン(現NHNジャパン)に移籍。取締役を経て、07年に社長就任。45歳。

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