トヨタ、新生「クラウン」で若者開拓 HVで2割安

2012/12/25付
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トヨタ自動車は25日、主力の高級セダン「クラウン」を全面改良して発売した。事前受注の約6割を占める売れ筋のハイブリッド車(HV)モデルは従来より2割程度安くし、燃費性能も約6割改善した。クラウンは「トヨタのプライドを背負ってきた」(豊田章男社長)旗艦車種。今回はデザインを含めてイメージを刷新し従来より若い顧客層を開拓、縮小が続く高級車市場を回復させる起爆剤にする。

トヨタ自動車が約4年ぶりに全面改良して発売した新型クラウン

トヨタ自動車が約4年ぶりに全面改良して発売した新型クラウン

「トヨタもクラウンも生まれ変わらないといけない」。豊田社長は25日、都内で開いた記者会見で強調した。クラウンは1955年に初代が発売され、今回は14代目。累計販売台数は520万台近い。最近の売れ筋は小型車に移り、クラウンも「新型車が出ればすぐに買い替える時代は終わった」(豊田社長)。

新型クラウンは法人向けで需要が見込める「ロイヤル」と、個人ユーザーが中心となるスポーツタイプの「アスリート」の2タイプ。王冠(クラウン)をあしらった大きな前面グリルが特徴。「保守的なイメージを覆す大胆なデザイン」(豊田社長)となった。現在のユーザーの平均年齢は50歳代後半だが、40歳代の若い層の開拓も狙う。

主力となるのは得意とするHVだ。従来はエンジン排気量が3.5リットルだったが、今回は2.5リットルエンジンと組み合わせた新システムを開発。燃費性能を1リットル14キロメートルから23.2キロメートルに6割程度も向上。価格は410万~543万円と従来(540万~620万円)より大幅に低く設定した。

月販目標の4000台に対して事前受注は約1万200台。うち約6割をHVタイプが占めている。クラウンは半分程度が法人向けとされるが、燃費改善で販売の上積みも見込める。HV以外の価格は353万~575万円。一部を除き全国のトヨタ店で販売する。

最先端の安全性能も強化した。ブレーキやアクセルの調整で追突事故を事前に回避したり、駐車場でのペダルの踏み間違いを防いだりするシステムを追加できる。

豊田社長は会見で、新型クラウンにかける思いについて「日本市場の復活と、日本のものづくりの死守を賭けた戦い」と強調した。円高で輸出拡大は期待できない状況にある。ほぼ国内専用車であるクラウンは最大の収益車種の1つ。今回は価格を割安にして販売規模を拡大する戦略だ。約100万人とみられるクラウン保有者の買い替えを促しながら、いかに新規顧客の開拓も狙う。

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