販売低迷のEV、陣営拡大へ迫られる戦略転換

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2012/10/29 7:00
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電気自動車(EV)の売れ行きがさえない。価格の高さや航続距離の問題といったEV自体が抱える課題に加え、ガソリン車やディーゼル車といった既存車も高い燃費性能と低価格を両立させ、EVの強力なライバルになっていることも背景にある。「ゼロエミッション・ビークル」の先駆けとして鳴り物入りで登場したEVはこのまましぼんでいってしまうのか。

日産「リーフ」は先進性が高く評価されている

日産「リーフ」は先進性が高く評価されている

国内最大のIT・家電の見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン2012」。今年、最も目を引いたのは初めて参加したトヨタ自動車や日産自動車など自動車メーカーのブースだった。なかでも日産は今やシーテックの常連。同社のEV「リーフ」を給充電器として家庭につなぐ「LEAF to Home」や無人でも駐車場に自動駐車するデモンストレーションを披露、注目を浴びた。

しかし、その先進性とは裏腹に「リーフ」の販売は低迷が続く。

「正直に言うと、期待外れだ」。今月2日、日産でEV事業を担当するアンディ・パーマー副社長はニューヨーク市内で応じた一部メディアの前でこう漏らした。米国での「リーフ」の今年度上期の販売台数は約3500台。通期の目標である2万台の達成は厳しい。今年末には米国でリーフの生産を開始する。しかし、その米工場のEVの生産能力は現在、「リーフ」を生産する追浜工場(神奈川県横須賀市)の3倍に相当する年15万台規模だ。

「量産によって価格を下げていくことがEVを成功させるための唯一の方法」(パーマー副社長)として、「米国でのEVの生産能力の見直しなどは検討していない」(同)と話す。しかし、2010年末の発売からこれまでに世界で販売した「リーフ」の累計台数は約4万台。16年度までに提携する仏ルノーとあわせ「累計で150万台を世界で販売する」とカルロス・ゴーン社長が掲げた目標は早くも"黄信号"が点灯している。

事情は「アイ・ミーブ」を擁する三菱自動車も同じだ。欧州を覆う不況でアイ・ミーブをOEM(相手先ブランドによる生産)供給する仏プジョーシトロエングループ(PSA)からの発注はこの春から止まっている。

このほど、デロイトトーマツコンサルティングが今年3月下旬に約2000人を対象に実施したアンケートによると、EVについて「よく知っている」「知っている」と答えた人は88%と前年の21%から大幅に上がった。しかし、その一方で、「購入を検討する」と回答した人は昨年と同じ18%にとどまった。「価格の高さ」と「航続距離の短さ」が依然としてEV普及のネックとなっている。

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