2018年1月19日(金)

「話題づくり」でヒットする「ものづくり」を生む
日経ものづくり編集委員 木崎健太郎

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2014/1/6 7:00
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 全く新しい製品がヒットするには、その製品がどう役立つのか、何を提供してくれるのかが分かりやすく顧客に伝わる必要がある。その製品が従来の延長線上にない画期的なものであればあるほど、ものが優れていることだけでヒットさせることはできない。

■一流アスリートに体感してもらう

 エアウィーヴ(愛知県大府市)のマットレスパッド「エアウィーヴ」は、今でこそよく眠れて疲れがとれるとヒットしているが、実は2007年6月の発売後、3年ほどは全く売れなかった。12年度になって売上高は53億円と前年の約5倍に急増し、13年度には110億円を見込んでいる。発売当初は「ものづくりだけが先行して、いいものなら黙っていても売れるはず、と唯我独尊になっていた」(高岡本州社長)。その状況を変えたのは、一流のアスリートに使用感を体験してもらうという話題づくりの戦略だった。

マットレスの上に敷いて使うエアウィーヴ。変形させた後の復元力が高く、寝返りをうちやすい

マットレスの上に敷いて使うエアウィーヴ。変形させた後の復元力が高く、寝返りをうちやすい

 エアウィーヴは直径1ミリメートル弱のポリエチレン(PE)の糸を絡み合わせてつくった厚さ5センチメートルほどの寝具で、マットレスの上に敷いて使う。へこませたり曲げたりしても復元力が高いため、寝返りをうつ際に使う筋肉のエネルギー量が少なくて済み、睡眠の質が高まる。それでいて、体圧を分散するので体への負担が小さい。これは単なる印象ではなく、09年に早稲田大学に依頼して解析してもらった結果でも、寝返りのときに筋肉を使う時間が短いことが実証されているという。しかし、いくら良い製品でも、その良さを分かってもらえない限りヒットにはつながらない。

 本来は一晩寝て体験してもらうのが最も効果的だが、そのような販売方法は現実的ではない。高岡社長は、一流とされる人に使ってもらってブランドを築くことを考えた。開発段階でのモニター調査では、激しい運動をする人ほど高く評価してくれることが分かっていたため、国立スポーツ科学センター(JISS)にエアウィーヴを40枚寄贈。このような働きかけの結果、エアウィーヴの知名度がまだ高くなかった08年の段階でも、北京オリンピックの出場選手70人以上が使用していた。現在テレビCMに登場しているフィギュアスケートの浅田真央選手も、同社が11年にスポンサー契約を結ぶ前の09年から使用していたという。

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