2017年12月15日(金)

オンリーワンという解  柳沢大輔・カヤック社長

コラム(ビジネス)
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2012/10/27 7:00
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 2011年4月、第三者割当増資の実施と社外取締役を迎えることで、カヤックはよりパブリック(公的)な存在になる選択をした。その選択の背景を書こうと思う。

1996年に慶大環境情報学部を卒業。ソニー・ミュージックエンタテインメントを経て98年にカヤックを創業し代表取締役に就任。38歳

 ひとつは確固たる理念と規模の拡大の両立を目指して成功している経営者に出会えたことだ。身近な存在であり一歩二歩先をいく人を知ることで、自分の目指すべき方向が具体的にイメージできるということがある。

 僕は、とにかく規模の拡大を目指す起業にはそれほど共感できない。しっかりとした美学を持ち、その美学と規模の拡大を両立している起業家にシンパシーを覚える。

 ここ数年、2000年ごろのIT(情報技術)バブル時代に話題となった起業家とは異なるタイプの起業家が活躍するパターンが増えてきた。クックパッドの創業者である佐野(陽光)さん、カヤックの株主でもあり衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイ社長の前沢(友作)さんなどは、美学と規模の拡大を両立している経営者であり、僕に刺激を与えてくれた。

 彼らを見ていて、美学をもったまま規模の拡大を目指すひとつの方法に、競合がいない強い事業をつくるという方法があると理解した。

 競合がいるということは、常に他者と比較されてしまうということであり、これが経済的価値という尺度で見ると、その価値は極めて短期的に他者と比較されて判断されるということでもある。一方で、美学や理念といったものは、僕は長期的には必ず経済的にも効果を生むものだと信じているが、短期的に結果が出るとは限らない。

 両者が異なる時間軸でおのおの判断されることによるジレンマを我慢し両立するには、他者と比較にならない程に数字で結果を出し、周囲に有無を言わさない状態をつくることがひとつの解。あるいは、他者と比較されないオンリーワンな事業を営んでいるということも解であると思う。

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