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建築物の軽量化建材、相次ぎ初納入 新日鉄とJFE

新日本製鉄とJFEスチールはそれぞれ24日、建築物の軽量化につながる高機能建材が初めて採用されたと発表した。新日鉄は橋向けに溶接作業の簡略化が可能な鋼板を600トン出荷した。JFEも8月中に愛知大学の新校舎用に10トン出荷する。両社は鋼材使用量や現場工事の手間を減らして総事業費を削減できる点をアピール。公共事業の縮小や中国などからの輸入鋼材の増加に対抗する。

新日鉄は橋梁(きょうりょう)用鋼板「SBHS」を、東京都が建設する福生市とあきる野市を結ぶ「永田橋」用に納めた。日本工業規格(JIS)取得後初めての採用となる。

鋼板製造時の熱処理の工夫により強度を従来品より10~20%高め、常温での加工性も改善した。溶接前に150~200度に温める予熱作業も簡素化できる。これまでは予熱なしに溶接すると接合部が割れるなどの問題があった。

JIS取得前の2006年から同じ鋼板を販売しており、全長2900メートルの「東京港臨海大橋」(仮称)などに約1万6500トン使用している。ただ、長さ200メートル以下の一般的な橋にはJISを取得していない製品は使えなかった。新日鉄は今回の採用実績をテコにして、4~5年後に「SBHS」を年3万トン販売する計画だ。

JFEは強度向上により使用量を約15%減らせる鋼材「HBL385B-L」を開発し、愛知大学が名古屋市に2012年4月に開校する新校舎への納入を始めた。成分調整や熱処理を改良し、鋼板を薄くしても従来と同様の強度を確保した。建物の柱やはりでの利用を想定し、10年度には数百トンの販売を見込む。

国内の建設向けの鋼材需要は公共工事の削減や住宅着工の減少により、低迷が続いている。日本鉄鋼連盟によると、今年6月の建設向けの普通鋼鋼材の受注量は08年同月と比べて約3割減の78万2000トン。鉄鋼業界では「国内の建材向けは金融危機前の水準には戻らない」との見方が広がっている。

一方で円高やアジアでの生産過剰により、中国や韓国からの鋼材輸入は増えている。6月の普通鋼鋼材の輸入量は前年同月の約2.2倍の36万8000トンで、前月比では4カ月連続の増加となった。

市場環境が悪化するなかで、新日鉄とJFEは中国などの鉄鋼メーカーが生産できない高機能品を武器に、受注拡大と建材事業の収益改善をめざす。

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