SMD、BYOD、MDM…キーワードで読む13年のモバイル市場
編集委員 関口和一

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2013/1/24 7:00
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米ラスベガスで開かれた世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が終わり、IT(情報技術)市場を巡る2013年の実ビジネスがスタートを切った。スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)、クラウドコンピューティングなどの広がりにより、ITのプラットフォームが従来のパソコンから携帯端末に移ったことで、新たな商品やサービスの市場が拡大する見通しだ。モバイル技術を中心に、世界のITの新潮流を読み解くキーワードを調査会社の予測などをもとに追ってみた。

【SMD】

「スマート・モバイル・デバイス(SMD)への支出額は13年は前年比20%増え、IT支出の増加分の57%を占めるだろう」。調査会社のIDCジャパン(東京・千代田)が今年の予測で真っ先に挙げるのが、スマホやタブレットなどの携帯端末市場の拡大だ。IT市場全体の売上高は世界全体で5.7%の伸びを見込むが、実はSMDの分野を除くと2.9%しか増加しないという。

米NPDディスプレイサーチの予測でも、今年はタブレットの世界出荷台数が2億4000万台となり、ノートパソコンの2億700万台を上回る見通しだ。米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が「もはやパソコンは情報機器の主役ではなくなりつつある」と言い残してこの世を去ったが、13年はその予言が現実のものとなりそうだ。米半導体大手、フリースケールのリッチ・ベア最高経営責任者(CEO)も「今後はSMDが半導体需要の大きな担い手となる」と語る。

実はこうした概念を最初に提示したのはパソコン向けの半導体世界最大手、米インテルである。08年に低消費電力型チップの「アトム」を投入した際、「ネットブック」などインターネットにつながる携帯端末を総称して「モバイル・インターネット・デバイス(MID)」と呼び、IT市場の新たなけん引役になると予測した。ところが現実の世界はインテルの予想をはるかに超えるスピードで進み、その市場を獲得したのはインテルではなく、英ARMや米クアルコムなどの携帯端末向けの半導体会社だった。

クアルコムは昨年11月、時価総額でインテルを上回り、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏やスティーブ・バルマーCEOの指定席だったCES開幕前夜の基調講演を、今年はクアルコムのポール・ジェイコブスCEOが務めた。そうした顔ぶれの変化は、まさに「パソコンからSMDへ」という時代の変化を物語っている。

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