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日本発の「超高純度鉄」 世界標準へ
編集委員 永田好生

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2011/2/25 7:00
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 日本生まれの「超高純度鉄」が世界の標準物質として活用される。開発者の安彦兼次・東北大学客員教授が日本とドイツの関連機関に登録を申請し、このほど認定を受けた。高温に強くさびないという優れた特性を持ちながら、量産が難しく高価なため応用はこれからだ。世界標準の認定が用途開拓の突破口になるだろうか。

純度99.999%、重量約80キログラムの超高純度鉄(超高純度金属材料技術研究組合長崎試験場で)
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純度99.999%、重量約80キログラムの超高純度鉄(超高純度金属材料技術研究組合長崎試験場で)

 超高純度鉄が登録されたデータベースは、製品評価技術基盤機構の「標準物質総合情報システム」と、独連邦材料試験研究所が主宰する「国際標準物質データベース」だ。米国立標準技術研究所も関心を示しており、世界で最も純度の高い鉄として世界で公式に認められそうだ。安彦客員教授は「このテーマに47年間取り組んだ集大成」と感慨深げだ。

 超高純度鉄は、純度が99.9996%と市販されている高純度鉄よりも不純物の量がさらに100分の1と少ない。性質は一般の鉄とは全く違い、表面が銀色に輝きさびない。塩酸につけても溶けず、教科書で習う金属のイオン化傾向の常識が成立しない。柔らかいため、たたいて加工しやすいが、極めて割れにくく簡単に切断できない。

約80キログラムの超高純度鉄を前に満足げな安彦東北大客員教授(超高純度金属材料技術研究組合長崎試験場で)
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約80キログラムの超高純度鉄を前に満足げな安彦東北大客員教授(超高純度金属材料技術研究組合長崎試験場で)

 こうした特性を生かす用途を見つけようと、安彦客員教授は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や科学技術振興機構の支援を受けて応用開拓を目指してきた。NEDOの事業では産業界と協力して「超高純度金属材料技術研究組合」を設立。核燃料の被覆管など厳しい耐熱強度が求められる用途を想定し、長崎市内に100キログラム級の超高純度鉄を作れる試験炉を完成した。この2月には、米独の機関に送るため、純度99.999%で重量約80キログラムの試料を作った。

 しかし現状では、産業界がすぐ飛びつく段階には至っていない。一番の壁はコストだろう。市販の高純度の鉄は1キログラム当たり100万~200万円する。超高純度鉄がそれを上回るのは確実。電力会社のほか素材や重工メーカーは採用に及び腰だ。

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