スマートハウス、省エネの基本は断熱・気密と通風・採光

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2013/5/28 7:00
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次世代の省エネ住宅とされる「スマートハウス」。屋根の上で輝く太陽光発電パネルや家電のエネルギー消費量をリアルタイムで表示・管理するHEMS(家庭用エネルギー管理システム)、蓄電池といったデバイス満載の住宅を思い浮かべる人は多いはずだ。しかし、前提となるのはあくまで省エネ性能を追求した建物。設計・構造で断熱や気密、自然の風や光の取り入れを重視した省エネ「パッシブ(受け身)」の概念が改めて注目されている。

YKKAPなどは窓の配置に高低差を付けることで換気を促す住宅を提案

YKKAPなどは窓の配置に高低差を付けることで換気を促す住宅を提案

「木の匂いがする風が気持ちいいね」。5月19日の午後、東京の新宿御苑の一角に建った木造のコンセプト住宅ではしゃぐ子供たちの姿があった。

この住宅を建てたのは独自工法の木造住宅躯体(くたい)を全国の工務店に提供しているエヌ・シー・エヌ(東京・港、田鎖郁男社長)やYKKAP。風や水、太陽の光と熱を使って夏は涼しく、冬は暖かく過ごすというのが設計の基本思想だ。

例えば窓は同じ高さだけでなく高低差を付けて配置することで、暖まって上に昇る空気を逃がしながら地表近くの涼しい空気を取り込める。南側の軒先にひさしを設けることで、高い位置から差し込む夏の日差しが室内に入り込まないようにする一方、低い角度から差し込む冬の日差しは取り込んで室内の温度上昇に活用するといった具合だ。

このコンセプト住宅はエヌ・シー・エヌやYKKAPが、健康や環境問題に関心を持つ人や、それらをテーマにしたモノ・活動を支援する一般社団法人ロハスクラブと環境省が共催するイベントに出展したもの。2012年のイベントでも通風や日よけを重視したデザインを採用した住宅を出しており、今回が初めてではない。ただ今年は「パッシブハウス」という名称で自然の力を取り入れた住宅をアピールすることにした。

この例にとどまらず、住宅業界で「パッシブ」が建物の「エコ」をアピールするうたい文句として存在感を増しつつある。

三井不動産レジデンシャルは12年11月、東京都三鷹市での建売住宅の売り出しを機に「パッシブデザインコンセプト」をまとめた。高低差を付けた窓の配置で換気を促す仕組みや軒やひさしの活用はエヌ・シー・エヌやYKKAPと同様。十数戸をまとめて開発するため、地域で最も頻度が高い向き、強さの風「卓越風」に配慮した家の並び、道路の配置も盛り込んだものになっている。

コンセプト作りに携わった地域開発事業部開発室の弥富健一主管は「建売住宅のターゲットは30~40代の子持ち家庭。太陽光発電や蓄電池が付いた住宅は価格が高くなり、ビジネスにならない」と明かす。実はこうしたパッシブデザインは「これまでもやってきたこと」(弥富主管)だったが、コンセプトとしてまとめてみると「反響は想像以上だった」(同)。今後は他地域の戸建て住宅でも同様のコンセプトを訴える考えだ。

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