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国産小型旅客機「MRJ」 1年以上の納入延期発表

受注活動に影響も

(更新)

三菱重工業の傘下の三菱航空機は22日、国産小型旅客機「MRJ」の開発スケジュールが1年以上遅れると発表した。2015年度後半に1号機を納入する予定だったが、17年4~6月に延期する。約95万点とされる部品の仕様について、世界の部品メーカーと調整するのに手間取ったのが主因。引き渡しの延期は3度目となる。今後の受注活動に影響を与えそうだ。

三菱航空機はエンジンや内装品などを世界の航空機関連メーカーに発注している。しかし国土交通省など各国の規制当局が安全性確保のために求める仕様を取引先のメーカーと詰める作業に想定以上の時間が必要となり、開発スケジュール全体が遅れる事態となった。

13年10~12月期に予定していた初飛行も15年4~6月期に延期する。1号機は全日本空輸に引き渡し、その後、米国の地域航空会社スカイウェストなどに納入する計画だったが、日程が大幅にずれ込むことになる。

全日空は同日、「初号機納入の遅れは残念。燃費効率と信頼性の高い機体が少しでも早く納入されることを求めていく」とのコメントを発表。三菱航空機の川井昭陽社長は「納入に向けて現状を登山に例えれば6合目付近にいる。スケジュールがこれ以上遅れることはない」と強調した。

MRJは客席数が78~92席の小型機。米航空エンジン大手、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)が開発する最新鋭エンジンを搭載することなどで、従来機種と比べて燃費を2割改善できることを最大の売り物にしている。現時点での受注機数は325機(確定165機、オプション契約160機)。

座席数が60~99席の小型ジェット機市場は今後20年で3千機以上の需要があるとされ、ブラジルの航空機大手エンブラエルとカナダのボンバルディアが2強。

このうちエンブラエルは18年にMRJと同型のエンジンを積んだ新型機を市場投入する予定だ。川井社長は「依然としてMRJの競争力は高い」と強調したが、納入延期で受注活動が厳しくなるのは必至。実績の豊富なエンブラエルに発注が切り替わる可能性もある。

三菱重工の鯨井洋一・取締役常務執行役員は同日の記者会見で「愛知県内にある工場の隣の土地を取得し、16年をめどにMRJの最終組み立てを始めたい」と話した。将来は月10機の生産を目指す。三菱航空機の受注が振るわなければ、親会社の設備投資計画への影響も避けられない。

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