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「復刻版」熱い、車・食品など続々 定番に安心感

自動車や食品などの「復刻版」市場が拡大している。サントリー食品インターナショナルが昨年、12年ぶりに発売した「はちみつレモン」は2011年中の販売が目標を約8割上回った。トヨタ自動車は4月、かつて若者に人気があった小型スポーツカー「86(ハチロク)」を発売する。消費者の懐かしさを喚起し、宣伝費用を抑制できる利点などを背景に、ブームはしばらく続きそうだ。

トヨタの小型スポーツ車「86(ハチロク)」

トヨタの小型スポーツ車「86(ハチロク)」

トヨタの86は1980年代の人気車「AE86型カローラレビン/スプリンタートレノ」の愛称「ハチロク」を新しいスポーツカーの正式な車名とした。若者の車離れが深刻化するなか、ドライブを楽しんだ当時の思い出を持つミドル層と、現在の若者の双方を同時に狙う。

伊フィアットも2月、3代目となるアルファロメオの中型車「ジュリエッタ」を発売した。同車名の復活は約30年ぶり。初の量産モデルとして会社の揺らん期に事業基盤確立の礎となった看板商品で、世界でのさらなる成長への思いを込めた。三菱自動車も今夏、小型の世界戦略車として70年代から2000年まで販売していた「ミラージュ」を復活させる。

ジュリエッタは限定車120台が発売と同時に売り切れ、発売後半月で年間計画の3割に相当する900台を受注した。ハチロクも月1000台の販売目標に対し、発売前の段階ですでに9000台を受注するなど好調だ。

復刻商品は企業側にとり、開発費や商標登録の手間を省ける経済的利点がある。「ブランド認知度が高く、広告やマーケティング費用も抑えられる」と法政大学経営大学院の小川孔輔教授は話す。

サントリーが昨年10月に再発売した清涼飲料水「はちみつレモン」も、派生商品と合わせて、11年に目標を約8割上回る130万ケースを販売した。人気の秘密は懐かしさを前面に出した点。かつてのデザインをそのまま採用。テレビCMでも昔と同じメロディーやフレーズを使った。

そのほかの復刻版商品
メーカー最初の商品の発売年
▼ミラージュ(乗用車)
三菱自動車1978年
▼シーマ(乗用車)
日産自動車1988年
▼初号アサヒビール復刻版(ビール)
アサヒビール1892年
▼ビックリマン伝説(菓子)
ロッテ1985年
▼チキンタツタ(ハンバーガー)
日本マクドナルド1992年

「定番商品に安心感を覚える消費者が多い」とサントリーは分析する。景気低迷や東日本大震災を受け、消費者の商品選択の保守性が高まっているとの見方もある。

日本マクドナルドは昨年8~9月と12月~今年1月、竜田揚げ風チキンを使ったハンバーガー「チキンタツタ」を復刻販売した。「これを目当てに来店する客が増えた」と同社。1992年から2004年まで定番メニューだった同商品の知名度の高さを証明した。

サクラクレパスや雪印メグミルクなどは基幹商品の「復刻版」を期間・数量限定で発売しており、同様の事例は今後も増えそうだ。

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