「解約防がなければ」 NTT東、光回線値下げ発表

2012/2/20付
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NTT東日本は20日、戸建て向けの光回線サービスの料金を引き下げるプランを3月に導入すると発表した。2年契約すると月5460円の料金を735円下げる。新たなポイント制度を併用すると最大で月1260円の値下げになる。長期利用者を対象にした新料金の導入でKDDIに対抗。値下げ競争の激化で光回線の低価格化が進みそうだ。

「解約を防がなければならない」。NTT東の幹部は新料金導入の狙いをこう話す。念頭にあるのはKDDIの光回線サービスだ。

KDDIは2008年10月、関東と北海道から月5460円の光回線サービスを戸建て向けに始めた。KDDIはインターネット接続料を含めた料金。NTT東は特定の事業者と組んだ料金プランを設定できず500~1200円程度のネット接続料が別にかかる。

KDDIは低価格を武器に札幌市や仙台市などの住宅地でNTT東と契約している家庭に営業をかけ、宮城県では一時、契約純増数でNTT東を逆転した。KDDIは今春までに世帯カバー率7割を目指し、近く青森、岩手、秋田、山形の各県でもサービスを始める。

割引制度の導入でNTT東の新料金は4725円となり最も安いネット接続サービスを選べばKDDIを下回る。新たなポイント制度では5年の利用で最大月500円分のポイントが使える。これを合わせれば最も高い接続サービスでもKDDIに並ぶ。

光サービス市場に占めるNTT東西の契約数のシェアは75%程度。しかし伸び悩みが目立ってきた。NTT東の11年12月末の光サービスの契約数は922万件で前年同期比10%増。10年12月末は同15%だった。11年度は東西合わせ210万件の契約純増を目指すが現状で達成は困難な状況だ。

固定通信の高速大容量サービス市場が成熟しつつあるなか、スマートフォン(高機能携帯電話)の急速な普及でマンションなどで若年層を中心に固定回線を契約しない例が増加。戸建てでは低価格を打ち出す競合他社に顧客を奪われている。

電力系通信会社との競争が激しいNTT西は、長期利用者への低料金プランをマンション向けも含めて導入済み。NTT東西は12年度にかけて光サービス事業が単年度黒字化。光回線への投資も一巡し、減価償却費の負担軽減など値下げ余地も出ている。契約の維持、向上へ価格競争が一層進む可能性がある。

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