航空機需要増、日本勢に商機 パリ国際ショー

2011/6/20付
保存
共有
印刷
その他

【パリ=松井健】世界の航空機市場が回復してきた。20日開幕した展示会「パリ国際航空ショー」では米ボーイングと欧エアバスなどが、燃費を改善した新型機を中心に受注を伸ばした。2008年秋の金融危機後は商談の中断が相次いだが、アジアなど新興国を中心に需要が拡大。エンジンなど機体の一部を生産する日本企業の業績も好転する可能性がある。

パリ郊外で開幕した航空ショー(20日)

パリ郊外で開幕した航空ショー(20日)

ボーイングのジム・オルボー民間航空機部門社長兼最高経営責任者(CEO)は20日の記者会見で、今後の航空機需要の見通しについて「航空会社側からの新型機体への切り替え需要は強く、今後も成長軌道は続く」との認識を示した。ジェット燃料の高騰を背景に、軽量化やエンジン改良などで燃費性能を高めた機体に注目が集まっている。

ボーイングは米航空機リース会社ALCから、新中型旅客機「787」(250席)を含む最大33機の受注で合意したと発表した。787は機体に炭素繊維素材を採用し、燃費を改善しているのが特徴で機体の35%を三菱重工業や川崎重工業、富士重工業の3社が生産している。

開発は当初計画より3年以上遅れたが、8~9月に全日本空輸に1号機を引き渡す予定。また新大型機「747-8」も2社から計17機を受注したという。受注額は54億ドル(約4320億円)。

「パリ国際航空ショー」が開幕した(20日、パリ郊外)

「パリ国際航空ショー」が開幕した(20日、パリ郊外)

欧エアバスは昨年末に発表した新小型機「A320neo」(120~180席)が好調。航空機リースの米GEキャピタルアビエーションサービスから60機、米ALCから50機、フィリピンのセブ・パシフィック航空から30機、スカンジナビア航空から30機の計170機を受注したと発表した。

16年から引き渡しが始まる予定のA320neoは、新型エンジンを搭載して燃費性能を15%高めた。今後15年で4000機の受注を見込む量販機種で、エンジンの国際共同開発にはIHI、三菱重工業、川崎重工業の3社も参加する方針だ。

世界最大の航空ショーはパリと英ファンボローで交互に開催している。2年前のパリショーでは商談の中断が相次いだが、10年の年間受注(受注数からキャンセル数を差し引いた数字)はボーイングが09年比3.7倍の530機、エアバスが同2.1倍の574機と大幅に増えた。

航空機需要の回復は部品や工具を生産する日本企業にも追い風だ。パリ航空ショーには航空機用ネジや軸受けを生産するミネベアのほか、三菱マテリアルやスギノマシンといった日本の工具、工作機械メーカーが出展。独自の技術をアピールする姿も目立った。

ボーイングの試算によると、11~30年の20年間に世界で3万3500機の新造機需要があるという。このうちアジア太平洋地域での需要が3分の1を占める見通しだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]