燃料電池車の販売秒読み トヨタが15年に市販車公開
20日開幕した東京モーターショーでトヨタ自動車は2015年に市販予定の燃料電池車を世界で初めて披露した。ダイハツ工業も軽自動車タイプの燃料電池車のコンセプトカーを公開した。
究極のエコカーと呼ばれる燃料電池車は水素を燃料に走り、水しか排出しない。トヨタの燃料電池車「FCVコンセプト」はセダン型で、大人4人が乗れる車内空間を確保した。1回の燃料補給で走れる距離は500キロメートル以上を想定している。
水素タンクに炭素繊維素材を採用するなど強度を高めて小型軽量化した。水素と酸素の反応を高める触媒では白金の使用量を大幅に減らすなど市販に向けてコスト低減に工夫を凝らした。かつて1台1億円とされていた車両価格を15年の市販時点で1千万円以下に抑える。量産段階では500万円前後まで引き下げ需要を開拓する計画だ。
ダイハツのコンセプトカー「FC凸(デコ)デッキ」は小さな軽自動車ベースの車体に搭載できるよう、通常の燃料電池車よりタンクと発電装置を小型化した。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長は20日の記者会見で「燃料電池車は専用のインフラが必要で、20年より前の普及は難しい」との見方を示した。普及には水素ステーションの低コスト化、整備促進が欠かせない。