2019年4月23日(火)

ジャパンディスプレイ上場へ 官主導くすぶる懸念
編集委員 安西巧

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2014/2/24 7:00
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日立製作所東芝ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して2012年4月に発足したジャパンディスプレイ(JDI)が3月19日、東証1部に上場する。同社が増資などで調達する資金は最大1700億円。スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)向け液晶パネルを生産する茂原工場(千葉県茂原市)などの能力増強や技術開発に充てる方針だ。ソニーの赤字転落など暗いニュースがいまだに目立つ電機業界には朗報だろう。しかし、JDIは政府系ファンドの産業革新機構が86.7%出資する"準国営"の企業。スタートからわずか2年のスピード上場が実現すれば確かに経営陣や社員の苦労は報われるが、一方で「民間主導でも統合はやれたのではないか」という疑問が今さらながら湧いてくる。

■売却益は1000億円

東芝、日立、ソニーが中小型液晶事業を統合し、ジャパンディスプレイが発足した。記念写真に納まるジャパンディスプレイの大塚周一社長(中央)ら(2012年5月2日、東京・大手町)

東芝、日立、ソニーが中小型液晶事業を統合し、ジャパンディスプレイが発足した。記念写真に納まるジャパンディスプレイの大塚周一社長(中央)ら(2012年5月2日、東京・大手町)

ビジネス界からの引退を思い直して2年前に新生JDIに転じた大塚周一社長(元エルピーダメモリ最高執行責任者)以下の経営陣、消費電力を8割削減できる反射型液晶パネルの量産化を実現した技術陣など同社が人材に恵まれていたことがスピード上場の"勝因"の一つ。13年の中小型液晶市場でのJDIの世界シェアは17%でトップ。今後は20%超の世界シェアを持つ車載用パネルなどで中国、台湾勢との激戦に勝ち抜く戦略が求められる。

JDIは上場に際し国内外で最大1億5800万株を公募増資して約1700億円の資金を調達する方針。産業革新機構が出資額の約半分を売り出して約2000億円を回収するほか、それぞれ4.3%ずつ出資する日立、東芝、ソニーも持ち分を一部売却するとみられる。今回のIPO(新規株式公開)に伴う総調達額は最大で約4000億円に達し、上場時点で「アジアで今年最大規模のIPOになる」(市場関係者)見通しだ。

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