「ものづくり」ならぬ「ものつなぎ」でも先端行く日本の接合技術
企業も"つなぎ"新たな付加価値生み出す

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2011/7/19 7:00
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日本のものづくり力は生産現場の加工などの技術が語られることが多い。ただ、削ったり、曲げたりするのではなく、モノとモノをつなぎ合わせる「接合技術」のすごさについてはあまり知られていない。日本には世界を驚かす「ものづくり企業」ならぬ、「ものつなぎ企業」がいくつもある。今回はその一端を、紹介してみたい。

最近2~3年、日本ではランニングブームが起きている。正月恒例の箱根駅伝の人気の高さもあるが、若い女性を含めて誰もがカラフルな格好で都心を走っている。こだわりランナーたちが今年春に熱い視線を投げかけたのが、スポーツ用品大手のニューバランスジャパン(東京・中央)が2011年春モデルとして発売した上級者向けランニングシューズ「RC1300」「RT1100」で、その靴底(ソール)の突起部分にはゴムが使われている。従来のソールはウレタン樹脂製だったが、ゴムに代えることでグリップ力と耐摩耗性が大幅に向上した。フィールドテストに参加したランナーに「長く走り込んでも性能が落ちない」と好評だったという。

分子技術活用し樹脂とゴムを接着剤なしに「接着」

ニューバランスジャパンの上級者向けランニングシューズ。ゴムと樹脂を接着材なしで接合する中野製作所の技術が使われた

ニューバランスジャパンの上級者向けランニングシューズ。ゴムと樹脂を接着材なしで接合する中野製作所の技術が使われた

実は、ここで使われたのが、中野製作所(東京・葛飾)が提供する「ラジカロック」という接合技術。ナイロンとゴムを接着剤なしで、分子レベルで一体化させる技術だ。

ラジカロックは、中野製作所が材料メーカーのダイセル・エボニック(東京・新宿)と共同で開発したもの。ゴムは分子レベルで見ると、長い分子の鎖が互いに、ところどころで硫黄によってつながっている。これは専門用語でいえば、「架橋構造」である。この架橋を形成する化学反応をゴムの中だけでなく、ゴムと樹脂の間で発生させたのがラジカロックという技術だった。つまり、これにより分子的にゴムと樹脂が一体化することになる。

異なった素材を接着剤なしに強固に接合できると、従来にないメリットがいくつも生まれる。特に接着剤を塗布したり乾燥させたりする設備と時間などが不要になることが大きい。接着剤を使わないと、材料自身が互いに密着するため、気密性にも優れる。接着剤の成分が溶け出すことを気にする必要がなくなり、安全性も確保しやすくなる。製品の精度を見ても、接着剤の厚みのバラつきを気にせずにすむ。

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