ものづくりニッポン 世界最強の生態系守れ
「製造業NEXT50 上場中堅企業ランキング」 部品・素材、裾野の広がりが力

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2013/3/25 16:56
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 日本の製造業が曲がり角に差し掛かっている。電機が不振にあえぎ、自動車も海外に生産シフトを進めるなど、二枚看板がかつてのけん引力を失っている。ただ、部品や素材などに広く目を向けると、6重苦をものともせず成長を続ける中堅企業は少なくない。日本の製造業の未来は世界最強のものづくり生態系をどう維持し、発展させるかにかかっている。

今年1月の米家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」。韓国サムスン電子が展示した厚さ約2センチメートルの液晶テレビが業界関係者の注目を集めた。量産機種では画期的な薄型化を可能にしたのが、精密樹脂加工のエンプラスの技術だ。同社の特殊レンズをバックライトに組み込むと構造を簡素化でき、発光ダイオード(LED)の数も減らせる。自動車や産業機械向けの樹脂製ギア製造で培った金型の成型技術を生かした。世界シェアは100%だ。

■月に数億個生産

「世界市場で顧客をつかまえないと次の成長はない」。特許の塊であるレンズ技術を確立したのが2008年ごろ。10年にはシャープが採用したが、技術の真価に気付いたのはサムスンだった。1台のテレビに60~70個のレンズを使うため、現在は月産数億個の体制を敷いている。

日本の部品・素材業界には他国に例がないほどの裾野の広さがある。世界市場を切り開いた電機や自動車といった完成品メーカーの躍進によって、世界で無二の技術生態系が出来上がった。先導した完成品メーカーが勢いを失ったら、部品・素材メーカーはどこに活路を見いだすのか。もし、エンプラスが日本メーカーだけを見ていたら、今日の成功はなかった。

■シェア90%超

経済産業省が毎年まとめている「日本企業の国際競争ポジションの定量的調査」。最新の11年度版でも半導体製造に欠かせない一部の基幹装置の日本勢のシェアは90%超だ。ものづくりの上流企業は、しがらみを飛び越え、世界企業と直接取引する。

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