ソニーとグーグルが提携 ネットTV・携帯端末など開発
今秋、米国で発売

ソニーは米グーグルと新しい映像・情報端末の開発・サービスで提携する。第1弾としてインターネットを快適に楽しめるパソコン並みの機能を内蔵した新型テレビを2010年秋に米国で発売。携帯電話や電子書籍端末なども共同開発するほか、複数の機器を結んでゲームや映像を配信するサービスでも連携する。ネット事業で世界をリードするグーグルと組んでネットと家電の新分野を開拓し、新型情報端末「iPad」などで急成長する米アップルに対抗する。
ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長とグーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)が米国で共同記者会見して発表する。
まず次世代のインターネットテレビを共同開発し、今秋に米国で発売する。日本などでも順次売り出す。グーグルの基本ソフト(OS)や米インテルの高性能MPU(超小型演算処理装置)を採用。パソコン並みのデータ処理機能と、リモコンで操作できるテレビの特性を備えた機器を世界に先駆けて製品化する。
映画やゲームをネット経由で取り込んだり、動画配信サービス「ユーチューブ」の映像を見たりできる。テレビ画面を分割、メールやブログを利用する使い方も可能だ。
米アップルは高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」で外部のソフト会社がアイデアを生かし、ゲームやビジネス用ソフトなどを開発・提供できる仕組みを構築した。アイフォーン向けのソフトは世界で18万種類を超えている。
ソニーとグーグルはソフトの管理・配信も含む同様の仕組みを新型テレビに導入。OS技術を公開し、ソフト会社にテレビで楽しめる様々なソフトの開発を呼びかける。
テレビ以外の新製品も共同開発する。アップルが発売したiPadの対抗製品などを開発。ビデオカメラで撮った映像をネット経由でグーグルのデータセンターに送り、自宅のテレビで視聴するというサービスの構築も視野に入れる。
両社は多機能のネットテレビから携帯情報端末に至る次世代型の機器全般について連携し、IT(情報技術)業界の覇権争いを主導したい考え。グーグルはネットの利用者を増やして広告収入や検索の事業領域を広げるとみられる。