「面白」鎌倉から世界にサービス発信
柳沢大輔・カヤック社長

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2012/12/22 7:00
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価値観の多様化が進む世界の中では、ベンチャー企業といえども、必ずしも他者との比較が生まれる規模の拡大一辺倒である必要はない。それとは異なる戦い方をするのも面白い。僕がそのように考えていることは以前の記事でも書いた。

1996年に慶大環境情報学部を卒業。ソニー・ミュージックエンタテインメントを経て98年にカヤックを創業し代表取締役に就任。38歳

今回は「多様性」というテーマを考えてみたい。日本の未来を考えた時に、多様性という価値観はひとつのキーワードになるだろうと考えている。国内総生産(GDP)という単一の軸では、日本がなかなか新興国に勝てないことは周知の事実だからだ。

ニッチであってもナンバーワンやオンリーワンになれる会社、たとえ小粒であったとしても、ぴりりと辛いような企業を伸ばしていくという戦い方を、日本全体で後押しすべきだと考えている。

ベンチャー企業であるカヤックもその価値観を後押しする存在でありたい。なぜなら、そもそもベンチャー企業とはイノベーション(革新)を起こす企業だからだ。イノベーター(革新を起こす人)とは、物事の新しいやり方を発見した人々だけを指すものではなく、物事に対する新しい考え方を発見したり広めたりした人々をも指すのではないかと思う。

他者との比較において、規模の拡大をとにかく第一に置く会社があれば、オンリーワンな事業で、己との闘いにおいて戦っている企業が増える社会の方が面白い。

その上で自社と他社の接点を持たないのではなく、お互いの強みをいかして連携し合う、そういった世界が多種多様な価値観を認め合う社会といえるのではないだろうか。

2011年の東日本大震災のあと、面白法人カヤックの本社が存在する鎌倉の鶴岡八幡宮では、あらゆる宗派をこえて宗教家が集まり、お祈りをささげるイベントが行われた。宗派を超えて人々が集まる。この精神性の高さこそが日本の今後の伸ばすべき価値観ではないか。

面白法人カヤックの本社の存在する鎌倉という市をそんなコラボレーションが頻繁に生まれる場所にできたら面白いのではないかと思う。たとえば、企業間のコラボレーションを盛んにしようとしたところで、お互いの利害関係というのはなかなか一致しないものだ。けれども鎌倉市に来たら、鎌倉市内の企業のコラボに対しては税制優遇、補助金がでるというようなコラボ減税、コラボ補助金なるものがあったらどうだろうか。

企業誘致が進むし、市としてのブランディングにもなる。そして世界から企業の支社・支店が集まり、頻繁に企業同士のコラボレーションが生まれるといったことも可能になるかもしれない。たとえば、鎌倉に日本支社がある米アウトドア用品のパタゴニアと鎌倉に本店がある「鳩サブレー」の豊島屋のコラボレーションにより、何かが生まれるなどというような。

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Smart Times (日経産業新聞)から

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