日立製作所、ビッグデータで糖尿病予防 英医療機関とシステム
日立製作所は18日、英国マンチェスター地域の病院などを運営する国民保健サービス(NHS)と、IT(情報技術)による糖尿病の予防システムを共同開発すると発表した。NHSの医療機関をつないだ共通システムを構築し、住民287万人の健診履歴などを集約。ビッグデータ解析によって患者ごとの最適な予防策を提案する。
NHSはマンチェスター地域で病院10カ所、診療所500カ所を運営する。各病院と各診療所の医療システムをつなぎ、住民の健診や投薬履歴などのデータを共有できるようにする。
集約したデータをもとに日立の分析技術で糖尿病患者の病気がどう推移するかや将来的に必要な医療費などを予測する。住民の名前や生年月日などの個人情報は匿名化し、プライバシー保護に努める。
病気の予防対策では医療データから糖尿病の予備軍を抽出したうえでコールセンターのオペレーターが個人ごとに健康指導を行う。食事摂取や効果的な運動メニューなどを助言する。
病気を発症する前に対策を打つことで医療費の削減につなげる狙い。高齢化に伴う医療費の膨張は先進国などで共通の課題となっており、開発成果を踏まえたサービスを日本でも展開する。
日立はヘルスケア事業を成長分野と位置付けており2015年度に4千億円の売上高を目指す。
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