2017年12月17日(日)

大型蓄電池の量産工場、はや誘致合戦 空洞化埋めるか

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2012/7/2付
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 定置型大型リチウムイオン電池を手掛けるエリーパワー(東京・品川)は、6月13日に川崎市で新工場の完成式典を開いた。年間100万個のリチウムイオン電池を製造でき、既設の製造設備との合計で年産120万個体制が整う。国内製造業の空洞化が懸念されるなか、工程に様々な工夫を施した「次世代製品」の量産工場に、早くも次の拠点の誘致合戦が始まるなど、期待感が高まっていた。

 会場には竹中工務店の竹中統一社長、ダイキン工業の十河政則社長、三井住友銀行の西川善文名誉顧問、シャープの町田勝彦相談役、セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長、フジテレビジョンの日枝久会長ら各界の著名人がそろった。

 乾杯の音頭をとったのは筆頭株主である大和ハウス工業の樋口武男会長。大和ハウス創業者・石橋信夫氏の「販売なくして企業なし」という言葉を例に引きながら、「大型リチウムイオン電池は家、産業、商業、自動車に使える」とその将来性を紹介した。

リチウムイオン電池の生産ライン(エリーパワー)

リチウムイオン電池の生産ライン(エリーパワー)

 新工場の投資額は150億円。借金はせず、国からの補助金22億5000万円と出資者から集めた資金とでまかなった。大型リチウムイオン電池事業に対する期待の大きさがうかがえる。

 式典でエリーパワーの吉田博一社長は「これからは車載用のリチウムイオン電池も手掛けていきたい」と語った。今年に入って2.99%資本参加したスズキの青山市三常務役員は「いろいろとやれるから」と含みを持たせる。これまでエリーパワーの吉田社長は車載用について「自社生産はせず、自動車メーカーに技術を供与する」と話してきたが、方向性が微妙に変わってきたのかもしれない。

 リチウムイオン電池は電解液が燃えやすい有機物であるために扱いが難しい。エリーパワーは対策として正極物質に熱安定性が高いリン酸鉄リチウムを用いている。ただし、この正極物質を使うと蓄電容量が小さくなるため、ベースとなるアルミはくの両面に同時で厚塗りができる製造装置を独自開発した。負極にはカーボンを塗布する。

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