超高層ビル解体 ゼネコン、技術競う
編集委員 安西巧

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2010/6/22 9:00
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鹿島は旧本社ビル(写真上、2008年2月)をダルマ落としのように解体した(同下、同7月)

鹿島は旧本社ビル(写真上、2008年2月)をダルマ落としのように解体した(同下、同7月)

一般的に解体工事の受注先としてまず有力視されるのは新築時の施工会社。赤プリの場合は、鹿島である。折しも鹿島は07年11月から08年9月にかけ、赤プリと目と鼻の先の場所にあった旧本社ビル(1棟=地上17階建て高さ65メートル、2棟=20階建て75メートル)を新工法で解体したばかり。"だるま落とし"のように下層階から解体していくその新工法は話題を呼び、現場への見学者は約4000人に達したという。

その"だるま落とし"工法の正式名称は「鹿島カットアンドダウン工法」。建物の基礎部分と地上階の床を連結する「コアウォール」と呼ぶ特殊な構造物をまず設置し、その後、ジャッキで支えながら下の階から柱を切断していく。粉塵(ふんじん)飛散を3割抑え、騒音も少なく、加えて屋根を最後に壊すために現場が雨にぬれず、内装材のリサイクル率が93%と、従来工法の55%程度から大幅に高まった。

鹿島には解体工事でのだるま落としの発想が10年以上前からあった。95年1月の阪神大震災によって損傷した神戸大橋の橋脚付け替え工事で、同社は「K-HABB工法」と名づけた「土木版」のだるま落とし工法を初めて実用化している。傷んだ橋脚を足元から順次切断・撤去するもので、高所作業が減って安全なうえ、粉じん飛散や騒音、振動も少なく、構造物が密集した厳しい環境での作業に適していると当時業界紙(97年5月2日付「建設通信新聞」)で報じられている。

ほぼ同時期に、建築分野では「AMURAD(アムラッド)」と名づけたビル工法が採用されている。97年に東京・豊島で新築した地上11階建てビルに採用した工法で、従来工法とは逆に最初に最上階を構築し、それをジャッキで押し上げながら順次下の階を造っていく。だるま落としの逆だから「AMURAD」。反対から読めば「DARUMA」になる。正式には「グローアップ工法」と名づけた。

それから10年後、本社ビル解体の際に登場した「鹿島カットアンドダウン工法」は「AMURAD」や「K-HABB」など社内に蓄積した技術を結集し、進化させたものといえる。

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