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苦戦する大衆薬、美容・メタボ関連が健闘

09年度、消費者ニーズとらえる

市場全体は低迷しても、美容関連などの大衆薬は販売好調(都内のドラッグストア)

主要な大衆薬(薬局で買える一般用医薬品)メーカーの2009年度決算が出そろった。市場縮小の逆風を突き、売り上げを伸ばした製品を分析すると「メタボ」「美容」「生活改善」のキーワードが浮かび上がる。逆に不振だったのが風邪薬。新型インフルエンザの流行で、薬局ではなく医療機関に行く人が増えた。改正薬事法で薬剤師による説明が必要になった「第1類」医薬品も振るわなかった。

調査会社のインテージによると、大衆薬の09年度の国内販売額は1兆1383億円で、08年度比2.4%減と2年連続で減少した。ただ各社の決算を分析すると、消費者のニーズをとらえた一部の製品は好調を維持したことが分かる。

肥満に伴う健康被害、メタボリックシンドローム対策の製品は根強い人気だ。同分野では小林製薬の快走ぶりが目立つ。主に男性向けの従来品で脂肪の燃焼・分解を促す「ナイシトール」に加え、女性の需要獲得を狙った「ビスラットゴールドa」を昨年3月に発売、09年度のメタボ分野の売上高を08年度比24%伸ばした。

小林豊社長は「両製品の拡販が効き、09年度は全体の純利益が92億円と過去最高になった」と話す。ロート製薬の漢方薬「和漢箋」も、汗かきで水太り体質の人に向く製品を投入し、売上高が13%増えた。

肌の状態などを改善する美容分野も女性向けを中心に堅調だ。エーザイの「チョコラBB」の販売は7%増。これを追うエスエス製薬の「ハイチオール」もチョコラBBと同様にビタミンB2を含む「ハイチオールB」を発売し、売上高を9%伸ばした。

日常生活の不便や不快感を抑える生活改善分野では、ゼリア新薬工業の「コンドロイチン」とエーザイの「ナボリン」という痛み緩和の2大ブランドがそろって好調だった。大正製薬の発毛剤「リアップ」も強さを見せた。従来品の5倍の濃度の新製品が原動力となり、売上高が12%増えた。

一方、風邪薬の有力ブランドは第一三共の「ルル」が微増だったのを除き、軒並み減収になった。大正製薬の堀田尚孝副社長は「冬場にこれほど風邪薬が売れなかったのは初めての経験だ」と振り返る。新型インフルエンザが流行したため、風邪の症状が出た人の多くが薬局ではなく医療機関を訪れたためだ。

09年度には薬事法改正で販売制度が変更され、医療用医薬品の成分などを使った効果の強い第1類医薬品は、安全確保のため薬剤師の資格を持つ販売員がいる店でしか売れなくなった。

その影響で、第1類医薬品の代表格である第一三共の胃薬「ガスター10」は売り上げが37%減少。肌のしみを改善する同社の「トランシーノ」も40%減収となった。ロート製薬の排卵日検査薬「ドゥーテスト」も落ち込んだ。販売制度の変更に伴い、普段買い物をしている店の売り場から製品がなくなり戸惑った顧客が多かったようだ。

個人消費の低迷で大衆薬市場は10年度も大きな伸びが期待しにくく、今年度は主力ブランドに販促費を集中投入する会社が目立つ。エスエスはドリンク剤「エスカップ」のテレビ広告を4年ぶりに再開した。エーザイはチョコラBBで、肌質の改善を訴える従来CMに加え、疲労回復機能を前面に打ち出したCMを強化する。

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