東芝、テレビ「12年度の黒字化目指す」 中期計画
国内生産停止 海外に委託

2012/5/17付
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中期経営計画について説明する東芝の佐々木社長(17日午後、東京都港区)

中期経営計画について説明する東芝の佐々木社長(17日午後、東京都港区)

東芝は17日、2012年度からの中期経営計画を発表した。同日記者会見した佐々木則夫社長は赤字のテレビ事業について、国内生産の完全停止や生産委託の拡大などを通じ「12年度の黒字化を目指す」と表明。一方、原子力事業については、東日本大震災に伴う福島の原発事故の前に立てた目標を2年先送りし、17年度に11年度比約7割増の売上高1兆円を目指す方針を示した。

国内のテレビ需要は家電エコポイント制度の終了や地上デジタル放送への移行完了などを受けて急減している。12年3月期決算ではパナソニック、ソニーなどが軒並み巨額赤字を計上。東芝もテレビ事業では500億円程度の営業赤字に陥った。

テレビ国内生産停止について佐々木社長は「じくじたるものはある」と述べた

テレビ国内生産停止について佐々木社長は「じくじたるものはある」と述べた

これを踏まえ中期経営計画ではテレビ事業の立て直しを構造改革の柱と位置付けた。国内唯一の生産拠点だった深谷事業所(埼玉県深谷市)での生産停止を正式に表明した。

さらに11年度に4割強だった海外電機メーカーなどへの生産委託の比率を、12年度には5割強に高める方針。13年度にはテレビの総モデル数を11年度比6割減、外部調達するパネルの種類も54%減らすなどといったコスト削減策も打ち出した。

東芝の経営方針の骨子
主な戦略売り上げ
目標
■スマートコミュニティ
全世界で27の実証・商用プロジェクトに参画9000億円
(15年度)
■原子力発電
米国などでの新規案件の獲得目指す。安全性を高めた次世代小型炉を拡販1兆円
(17年度)
■パワーエレクトロニクス・電気自動車
小型で効率の良い新型モーターを年内に発売。自動車、鉄道、バスなどで採用拡大8000億円
(15年度)
■ストレージ関連
HDDとフラッシュメモリー技術を組み合わせた新製品で市場を開拓8500億円
(15年度)
■リテール
IBMからPOS事業を買収。飲食店、ホテルなど店舗向けに事業を加速4000億円
(15年度)
■デジタルプロダクツ
テレビの国内生産を終了。ソフトウエアなどコンテンツ分野で収益を改善2000億円
(15年度)

テレビ事業の今後を巡っては、日立製作所も国内生産から撤退する方針を示している。東芝は今後、効率化と新興国向けの販売拡大などを通じてテレビ事業の黒字化を目指す。テレビを単体で売り込むだけではなく、家庭での省電力システムやネットワーク経由で情報システムを利用するクラウドサービス用の端末として活用する戦略だ。

また福島の原発事故の影響を受けた原子力事業に関しては、国内での受注は依然見込めないものの、米国や中国での建設計画が進展していることなどを踏まえ、2年先送りすれば目標の達成は可能と判断した。

一方、成長戦略の柱には再生可能エネルギーや省電力システムを活用した環境配慮型都市「スマートコミュニティ」の関連事業とクラウド関連を含む外部記憶装置(ストレージ)事業を据えた。韓国、中国メーカーとの競合が激しい一般消費者向けの製品から、企業向けへと事業の軸足を移し収益体質を強化する。

14年度に連結売上高は11年度比28%増の7兆8千億円、営業利益は約2.2倍の4500億円を目指す。

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