2019年1月23日(水)

日航次期社長に植木氏 大西氏は会長、グループ戦略課題に

2012/1/17付
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日本航空は17日、2月に植木義晴専務執行役員(59)が社長に昇格する人事を発表した。会社更生法の適用を申請して19日でちょうど2年。京セラ創業者の稲盛和夫氏(79)を会長に迎え入れ、収益構造の立て直しには一定のめどを付けたが、改革は道半ばだ。今秋に予定している株式再上場に向け、新体制には課題が山積している。

植木氏は2月に開催する臨時株主総会後の取締役会で社長に就任する。稲盛会長は代表権のない取締役名誉会長に、大西賢社長(56)は代表取締役会長にそれぞれ就く。

17日に記者会見した稲盛会長は社長交代の狙いについて、「生え抜きによる執行体制が大切」と強調。自身については「あと1年で取締役名誉会長も辞める」と語り、今後は経営者の育成に力を入れる考えを示した。

2010年1月に更生法の適用を申請した日航は2月、稲盛氏が会長、生え抜きの大西賢氏が社長に就任。12月には企業再生支援機構が出資し、再建が始まった。

11年3月期は連結営業利益1884億円と過去最高を達成。12年3月期も従来目標の2倍弱を見込む。機構は13年1月までに支援を終える予定で、日航は今年9月にも株式再上場を目指す。

2期連続の営業黒字が見えてきた日航だが、課題は残されている。好業績は経営破綻時に金融機関が債権放棄した効果が大きく、今後は航空機購入などで債務が増えるとみられる。11年4~9月期の利用率は東日本大震災の影響もあり国際線で前年同期比7ポイント減の68%、国内線はほぼ横ばいの62%にとどまった。「イベントリスクが多く、すぐに業績が悪くなることがある」(稲盛会長)。

今年3月からは、既存の大手航空よりも3~7割安い低運賃で旅客を運ぶ国内格安航空会社(LCC)が相次いで就航。このうち1社は日航が出資するものの、新規参入組との競争は激化が予想される。

再建を確実なものにするには、より徹底した収益管理が必要となる。日航は昨年4月、稲盛会長が京セラで導入した部門別採算管理制度を導入したが、日本トランスオーシャン航空(那覇市)などのグループ会社への導入はこれから。

日航の社員は単体1万3000人に対し、グループは1万9000人にのぼる。本体よりも社員の多いグループには企業理念などの浸透に温度差があるとの指摘もある。

現在の日航について植木次期社長は17日の会見で「薄日が見えてきた状態」と語った。「安定した巡航飛行に入るキーポイント」と位置付ける株式再上場に向け、構造改革を続ける必要がある。

うえき・よしはる=75年(昭50年)航空大学校卒、日本航空入社。10年2月、執行役員、同12月、専務執行役員。京都府出身。

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